F1モータースポーツ担当マネジングディレクターのロス・ブラウンが、メルセデスがF1ワークスチーム活動から撤退する“兆候”は全く見られないと主張した。
かつてベネトンやフェラーリの技術責任者として活躍したブラウンは、2009年にはチームオーナーとしてブラウンGPでF1タイトルを獲得している。2010年にはそのチームをメルセデスに譲ったブラウンだが、2013年までチーム代表としてメルセデスF1チームを率いた経験を持っている。
だが、最近メルセデスを傘下に置く親会社のダイムラーがメルセデスF1ワークス活動を2020年いっぱいで中止し、以降はエンジンサプライヤーとしてのみF1活動を継続させる方針のようだと報じられている。
だが、現在はF1オーナーであるリバティ・メディアの指名を受け、最高責任者のチェイス・キャリーを補佐する形でF1全体を統括する立場にあるブラウンは、かつて自分が代表を務めていたチームがF1から撤退するとは思えないと次のように語った。
「そういう兆候は全く見られないよ」
「彼らは自分たちが投じた額よりもはるかに大きな利益を得ているんだ」
F1では2021年からチームの年間予算にバジェットキャップと呼ばれる上限値が導入されることになっている。ブラウンはこのこともメルセデスF1チームの士気をさらに高めることにつながるはずだと考えている。
「彼らは今後自分たちが使える額が分かることになる」
そう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「オラ・シャレニウス(ダイムラー社CEO)のような世界に名だたる人たちを通じて送られてきたメッセージは、彼らがコストをコントロールしたいと思っており、F1にどれほど費やす必要があるかを確実に知りたいと思っているということだったからね」