メルセデスF1チームのCEOを務めるトト・ヴォルフが、ルイス・ハミルトンとの2021年以降に向けた契約交渉は今月から始まるところだと語った。
最近、メルセデスがハミルトンに対し年俸5000万ドル(約55億円)で2021年から2年契約の条件を提示したものの、ハミルトンはそれに対し6600万ドル(約72億円)の年俸を要求したために両者の交渉が行き詰まっていると報じられた。
だが、ハミルトンは、まだ実際に交渉はスタートしておらず、そうした報道は“でっち上げ”だと反論していた。
そしてヴォルフもこのほど、本当に交渉はまだ始まっていないのだとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「我々が最後に会ったのはクリスマスパーティーのときだよ」
「今後のことについて少しだけ話をしたけれど、その後はメッセージアプリを通じて話をしただけだ。10か月も忙しくしていたんだから休みをとるのも大切だからね」
「だから、我々は12月から1月にかけては会わないことに決めていたんだ。2月にはまた全てがスタートするし、我々も腰を据えて話し合うことになるよ」
実際のところ、トップ3チームではすでにフェラーリがシャルル・ルクレールと、そしてレッドブルがマックス・フェルスタッペンと2021年から複数年にわたる契約を結んだことが明らかになっている。
2019年にF1歴代2位タイとなる通算6回のF1ドライバーズタイトル獲得に成功したハミルトンもすでに35歳であり、残された最善の選択肢はメルセデス残留しかないと考えられている。
ヴォルフはハミルトンとの交渉に向けて次のように語った。
「彼ほどのレベルのドライバーには常に選択肢があるものさ」
「同じことは我々にも言えるんだ。最速F1マシンを造ることができる限り、我々は常に自分たちのドライバーを選択できる立場にいられるからね」
ヴォルフは、ハミルトンとは2013年から共に戦ってきた戦友のような関係にあるものの、それによって契約交渉がスムーズに運ぶとは限らないと考えているようだ。
「こういう特定のケースにおいては、例えば金銭面から見れば、我々の利害は一致しないからね」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「だが、過去にも非常に困難だったことはあるが、最終的にはいつも握手で終わることができたよ。ルイスは最速のマシンで走ることを望んでいるし、我々は最高のドライバーを望んでいるからね」