メルセデスF1チームをCEOとして率いるトト・ヴォルフが、自分たちは間違いなく2021年も参戦すると主張した。
これは、メルセデスが2020年シーズン限りでF1ワークス活動から手を引き、以降はエンジンサプライヤーとしての活動を継続するだけになるだろうとの最近の報道を受けてのことだ。
1月下旬に、メルセデスを傘下に置くダイムラー社の取締役会が2月12日(水)に行われ、そこでメルセデスのF1ワークス活動撤退が決議されることになりそうだとの報道が行われていた。
すでにダイムラーのオラ・シャレニウスCEOがその報道は「誤り」だとコメントしたとも伝えられているが、このほどヴォルフもドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「メルセデスは間違いなく2021年にも走るよ」
「我々は続けたいと思っている。F1は我々にとって意味のあることだからね」
実際のところ、メルセデスがF1を継続する方向であることを示す状況証拠もいくつかある。例えば、ほんの数日前にはアメリカの半導体メーカーである『AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)』と新たに“複数年”にわたるスポンサー契約を結んだことが明らかとなっている。
とは言え、メルセデスもまだ2021年から適用される新コンコルド協定にはサインをしていない。コンコルド協定とはF1チーム、統括団体のFIA(国際自動車連盟)、F1オーナーの3者間で結ばれる協定であり、F1の商業権や運営方法、利益分配などが規定されるものだ。
ヴォルフは、これに関して次のように語っている。
「基本となる条件が適正なものでなくてはならない。我々がそれでやっていける内容のコンコルド協定を手にしたいと望んでいるよ」
「それは我々がもっと多くを望んでいるという意味ではないんだ。だが、バランスがとれた契約でなくてはならない。我々だけではなく小規模チームたちにとってもね」
一方、ヴォルフ個人に関しても、2020年シーズンを最後にメルセデスから離脱するのではないかとのうわさもささやかれている。
少し前にはハミルトンともどもフェラーリに移籍するのではないか、あるいはF1オーナーであるリバティ・メディアのチェイス・キャリーの後任として新F1最高責任者に就任するのではないかといったうわさがあったが、最近ではレーシングポイントのオーナーであるカナダ人ビジネスマンのローレンス・ストロールと組んで2021年からアストンマーティンF1チームの運営に携わることになるのではないかとも言われている。
だが、ヴォルフはこうしたうわさに対して次のようにコメントしている。
「私は自分の仕事を楽しんでいるよ。メルセデスとジョイントベンチャーをやっていると言える者がどれほどいるだろうか?」
「彼ら(メルセデス)は私が最善だと思えるやり方でチームを率いることができるよう十分に時間を与えてくれた」
「我々はまだチームとしては発展途上にあるが、この7年の間にほぼ3倍の規模になっているんだ」
オーストリア出身のヴォルフはそう語ると次のように付け加えた。
「今では本物の会社に育ったし、仕事も本当に管理的な役割に変わったよ」