ルノーF1チームを率いるマネジングディレクターのシリル・アビテブールが、2019年には「足りない部分があった」と語った。
2018年までレッドブルに所属していたダニエル・リカルドを獲得し、一気にトップ3チームとの差を縮めようと2019年シーズンに臨んだルノーだったが、結果的には自分たちがパワーユニットを供給するマクラーレンにも後れをとり、コンストラクターズランキングは5位に下がってしまった。
パワーユニットの改善には手応えを感じていたアビテブールは、2019年の弱点はシャシーにあったと判断。シーズン終了後にシャシー責任者であったニック・チェスターを更迭している。
ルノーでは昨年マクラーレンのエンジニアリングディレクターを務めていたパット・フライを獲得したことが明らかとなっていたが、そのフライは“ガーデニング休暇”と呼ばれる待機期間を終えて2月5日(水)からルノーに合流することが27日(月)に発表された。フライはルノーの新テクニカルディレクターに就任することになる。
アビテブールは母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』に、今後ルノーは技術部門をさらに活性化する必要があると2019年シーズンを振り返りながら次のように語った。
「我々はシーズン中盤にクルマの開発に一定の限界があることに気付いていたんだ。それは(クルマの)基本理念に関して行った選択によるものだった」
「大きな投資を行ったにもかかわらず、人材を最大限に活かすための技術的リーダーシップ面に何か足りないところがあったようだ」
こうしたことからも、ルノーがフライにかなり大きな期待を寄せているのは間違いないだろう。
55歳のフライは、現在のルノーF1チームの前身であるベネトンでF1キャリアを開始し、その後マクラーレンやフェラーリなどで活躍した経験値の高いエンジニアだ。
そのフライは2月12日(水)にパリで行われるルノーの2020年型マシン発表会で正式にルノーの一員となった姿を見せることになる。