レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコが、自分たちのドライバー以外で最も魅力を感じるのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)だと語った。
レッドブルとそのジュニアチームであるアルファタウリ(トロロッソ)のドライバー責任者として知られるマルコは、現時点においてレッドブルに所属していないドライバーの中では誰がベストだと思うかと質問されると次のように答えた。
「ルクレールだね。間違いなくルクレールだよ」
だが、もちろん近い将来ルクレールがレッドブルに加入することはないだろう。ルクレールはすでに2024年までフェラーリとの契約を延長している。そして、F1ではルクレールをしのぐ経験を持つマックス・フェルスタッペンも2023年までレッドブルにとどまることが確定している。
マルコが責任者を務めるレッドブルのドライバー育成プログラムはフェルスタッペン以外にもこれまでにセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)やダニエル・リカルド(現ルノー)といったスタードライバーを輩出している。
しかし、時として外部からは非情とも見えるドライバー人事を行うレッドブルのプログラムに関しては批判的な意見を持つ者も少なくない。
だが、マルコはドイツの『motorsport-total.com』に対し、自分たちのドライバー育成プログラムには誇りを持っていると次のように語った。
「もし若者に選択肢があるとしたら、彼らは最初にレッドブルを選ぶはずだと言えるよ」
「我々には我々のシステムがあり、それは機能しているよ。妥協しようとは思っていないし、我々の契約はフェアなものなんだ」
そう語ったマルコだが、レッドブルの若手育成プログラムもここ数年の間に手直しを迫られたのも事実だと認めている。それは、カートで才能あるドライバーを見極めるのはもはや難しくなってしまったためだという。
マルコはそれを端的に示す実例として2005年にカートの世界チャンピオンとなったオリバー・オークスを引き合いに出し、「カートの世界チャンピオンだがフォーミュラカーでは通用しなかった」と語っている。
2005年に17歳でカートの世界チャンピオンとなったイギリス人ドライバーのオークスだが、2006年にレッドブルの育成ドライバーとなってフォーミュラカーにステップアップしたものの、その後は目立った成績を残すことができず、2010年のGP3を最後にレース界から姿を消している。