レッドブルのドライバー責任者として知られるヘルムート・マルコが、かつてレッドブルの育成ドライバーであったジャン-エリック・ベルニュの復帰は考えられないと語った。
現在は29際となったフランス人ドライバーのベルニュだが、2012年にレッドブルのジュニアチームであるトロロッソでF1デビューを果たしたものの、2014年シーズン限りで契約を解除されてしまった。
その後フェラーリのテストドライバーを兼任しつつフォーミュラEへの参戦を開始。2017-2018シーズン、そして2018-2019シーズンに2年連続で年間チャンピオンに輝いている。
レッドブルでは2017年シーズン途中で契約解除していたロシア人ドライバーのダニール・クビアトを2019年に再びトロロッソに復帰させているが、フォーミュラEで結果を出しているベルニュをまたF1で起用する可能性はないのだろうか?
そうした質問を受けたマルコは、ドイツの『motorsport-total.com』に次のように答えた。
「ベルニュは今フォーミュラEで勝っている。だが、F1で必要とされるプロファイルはまったく異なっているんだ」
マルコは、すでにF1を離れて5年が経過したベルニュが復帰したとしても「ほぼ新人に等しい」状態になるだろうと次のように付け加えている。
「奇妙な特性を持つピレリタイヤに慣れるまでには1シーズンまるまるかかってしまうよ」
マルコが責任者として運用されているレッドブルのドライバー育成プログラムは時として“非情”なほどに厳しいものであることが知られている。しかし、マルコはそのプログラムはうまく機能していると主張している。
実際のところ、そのプログラムが排出したセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)、ダニエル・リカルド(現ルノー)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はチャンピオンもしくはレース勝者となっている。さらにダニール・クビアト(トロロッソ)、ピエール・ガスリー(トロロッソ)、カルロス・サインツ(現マクラーレン)も表彰台に上った実績を持っている。
「我々は満足しているし、誇りにしているよ」
そう語ったマルコは次のように付け加えている。
「それに、我々はかなりコピーされている。(他チームの)同様のプログラムで我々が成し遂げたものに近づけたところはひとつもないよ」
2019年にはシーズン途中でレッドブルのガスリーをトロロッソに降格し、代わりにアレクサンダー・アルボンをレッドブルに昇格させるという人事も行ったマルコだが、今年もそうしたことを行う可能性について質問されると次のように答えた。
「どんなことだってあり得るよ。だが、そうならないことを望んでいるがね」