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【メルセデス】2020年にオコン起用を見送った理由は“リスク回避”

2020年01月07日(火)19:42 pm

メルセデスが2020年にエステバン・オコンをルイス・ハミルトンのチームメートとして起用しなかったのは、オコンに“リスク”を負わせないためだった。

2018年まで所属していたフォース・インディアのオーナーが変わったことでシートを喪失したオコンは、2019年はメルセデスの控えドライバーを務めながら1年間の浪人生活を送ってきた。

メルセデスの育成ドライバーとしてすでにマノーやフォース・インディアで経験を積んできていたフランス人ドライバーのオコンは有望な若手ドライバーとして評価も高く、2020年はバルテリ・ボッタスに替わってハミルトンのチームメートになるのではないかとのうわさもあった。

だが、メルセデスは結局今季もボッタスを続投させることを決定。オコンが最強チームのシートを手に入れることはできなかった。そしてオコンは母国フランスのF1チームであるルノーで今年2年ぶりにF1に出走することになっている。

メルセデスF1チームを率いるチームCEOのトト・ヴォルフはドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にオコンを抜擢しなかった理由を次のように語った。

「すでに7年もメルセデスにいて、キャリアのピークにいるハミルトンと戦わせるのは彼(オコン)にとっていいことではないよ。とりわけ、1年間休んでいたあとではね」

「ワクワクするようなストーリーにはなったかもしれないし、彼もうまくやれるかもしれない。しかし、スーパースターを相手にうまくやることができたのは1人だけだし、それがルイス・ハミルトンだったんだ」

2007年に当時2年連続でF1チャンピオンとなったフェルナンド・アロンソのチームメートとしてマクラーレンでF1デビューを飾ったハミルトンに言及しながらそう語ったヴォルフはさらに次のように続けた。

「ドライバーには時間が必要なんだ。そして私は彼にキャリアをリスクにさらしたくはない。あるいは、彼にルイスに勝つためならどんなことでもするというようなリスクを負わせたくないんだ。そこが決定的なポイントだったよ」

だが、実際のところ、ヴォルフがハミルトンとボッタスのコンビの方がチームとしての管理もやりやすいと考えたのも間違いないだろう。

フォース・インディア時代にも度々チームメートのセルジオ・ペレスと同士討ちを演じ、2018年のブラジルGPでは周回遅れだったにもかかわらずトップを快走していたマックス・フェルスタッペンとクラッシュしてしまうという超攻撃的な性格を持つオコンをハミルトンのチームメートに据えるのはチームとしてもリスクがあると考えるのは当然かもしれない。

「ドライバーたちを管理するときには、彼らが自分の夢を実現させようとしているのだという事実を忘れてはならないんだ。彼らの最大の目標はタイトルをとることだからね」

「その目標が常にチームの目標と合致するとは限らないから、それが敵対意識につながることもある」

そう続けたヴォルフは次のように付け加えた。

「しかし、私はここ数年にわたって世界で最も成功を収めたスポーツチームになるというメルセデスの目標のもとにドライバーたちを管理することができたのを本当に誇らしく思っているよ」

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