セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、まだ具体的ではないものの、F1引退後の計画に関して考え始めていることを示唆した。
レッドブル在籍時の2008年から2010年にかけて4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルだが、以降はF1タイトル争いに絡むこともできず、フェラーリで5年目を迎えた今季は若いチームメートのシャルル・ルクレールにも負けを喫するという厳しいシーズンを過ごしてしまった。
ベッテルとフェラーリの契約は2020年に満期を迎えることになっているが、フェラーリの首脳部はその契約を更新するかどうかを来年の5月初旬までには判断したいと示唆しており、ベッテルには今までにないほどのプレッシャーがかかっているのは確かだ。
今季は6点か7点だったとベッテル
32歳のベッテルも、2019年シーズンがよくなかったのは確かだと認めている。
スイスの『Blick(ブリック)』紙から、2019年シーズンを10点満点で採点すると何点になるかと質問されたベッテルは次のように答えた。
「8点とか9点とか、あるいは10点がつけられるものではなかったよ。5点じゃあまりにも厳しすぎるから、6点あるいは7点ってところじゃないかな」
「だけど、慎重にしないとね。こういうことは自分の評価を下げることにもつながるからね」
実際のところ、2014年まで所属していたレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ベッテルはすでにF1のトップ3ドライバーにも数えられないところまで落ちてしまったと語っている。
ベッテルは2020年限りでフェラーリを去るとエディ・ジョーダン
そうした中、かつてジョーダン・グランプリの設立者兼チームオーナーであったエディ・ジョーダンはイギリスのテレビ局『BBC』の自動車番組『Top Gear(トップ・ギア)』に、ベッテルが2020年限りでフェラーリを去ることになるのは「絶対に間違いない」と語っている。
ジョーダンは、ベッテルの後任として2021年にはルイス・ハミルトン(メルセデス)がフェラーリに加入することになり、現在メルセデスF1チームのCEOを務めるトト・ヴォルフもフェラーリに迎え入れられることになるだろうと予想している。
最近のうわさでは、ベッテルもそうした状況となることを見越してすでにマクラーレンと2021年に向けた交渉を開始しているようだとも言われている。
計画なしに人生を送ることはできないとベッテル
F1引退のことも考えているのかと質問されたベッテルは『Blick(ブリック)』に次のように答えている。
「具体的に考えてはいないよ」
「だけど、もう12年以上もやってきたわけだから、次は何をするかも気になるよね。実際に実現する計画かどうかは分からないにせよ、計画なしに人生を過ごすべきではないよ」
再びレッドブルに戻る可能性もあるのではないかと尋ねられたベッテルは、現時点ではフェラーリでの目標達成のことだけを考えていると次のように答えている。
「現時点におけるフェラーリの目標ははっきりしている。タイトルをとることさ。そして僕たちはまだそこに到達していないんだ」
さらに、今季さまざまな批評や批判にさらされたことに関して質問されたベッテルは次のように語っている。
「あらゆるところで人々はあまりにも性急に判断を下してしまうんだ。そして彼らはそのほかのことについては同じようにすぐに忘れてしまうんだ」