元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリにセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールという2人の速いドライバーがいるのは悪いことではないと考えている。
2019年シーズン開幕前にはベッテルがフェラーリのナンバー1ドライバーとしてタイトル争いにからんでいくものと予想されていた。
ところが、シーズンが始まってみればまだ2年目のF1シーズンを迎えたばかりのルクレールがベッテルをしのぐパフォーマンスを示し、メディアはもはやルクレールがナンバー1だと書き立てる状況となってしまった。
第20戦ブラジルGP決勝ではついにこの2人が恐れていた同士討ちを演じるに至ってしまった。
かつてマクラーレンでアイルトン・セナの相棒を務めたことでも知られるベルガーは、ルクレールがF1を担う「次の世代」であることは間違いないとしながらも、フェラーリがベッテルとルクレールをうまく共存させていくことも可能だと次のように語った。
「そうした状況でチームが得られるアドバンテージは、自分たちの技術というレモンを完全に搾ることが可能になることだ。不利な点は、それを誰かが管理しなくてはならないことだよ」
「だが、過去を振り返れば、成功したチームというものは常にそれを成し遂げてきている」
母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ったベルガーは次のように付け加えた。
「フランク・ウィリアムズ(ウィリアムズ/チーム代表)は可能な限り2台の最速マシンを持つようにしたし、エンツォ・フェラーリ(フェラーリ創設者)でさえ抜かりなくナンバー1ドライバーに対してナンバー2にすることもあるとプレッシャーをかけていたよ」