F1モータースポーツ担当マネジングディレクターのロス・ブラウンが、F1エンジンの開発凍結は段階的なものになる可能性があると示唆した。
F1は今季の第19戦アメリカGPが開催されたオースティンで2021年から導入される新レギュレーションを発表。シャシーやチームの財政面にかかわるルールはかなり大きく変わることになるものの、現在のハイブリッド方式F1エンジンに関しては基本的に現行ルールが継続されることになっている。
ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は2021年以降のF1エンジン問題に関して次のように語った。
「2021年にどうなるかははっきりと分かっている」
「だが、燃料はどうなるのか、バイオ燃料となるのか。(開発の)凍結はあるのか、部分的凍結なのか、累進的凍結なのか、あるいは完全な凍結なのか。私の意見だが、これらに関しても対処すべきだと思っている」
F1エンジン開発の凍結に関してこれまで報じられていることによれば、いわゆる内燃機関としてのエンジンの開発は凍結されるものの、環境問題に配慮した自然に優しいエンジンとするためのハイブリッド技術に関しては一定の例外措置が設けられるのではないかと言われている。
「2つのハードルがあるんだ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったブラウンは次のように続けた。
「ひとつは、(エンジン)メーカーたちは4つ(メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダ)のエンジンがほぼ同じレベルとなったとき初めてそれに合意することになるだろうということだ」
「ほかの課題は燃料だよ。我々としてはカーボンニュートラルな燃料を奨励したいと思っている」
カーボンニュートラル燃料とは、簡単に言えば化石燃料ではなく、植物などを材料としたバイオマス燃料を指すものだ。
「だが、そのためには、エンジンは段階的に(開発)凍結していくことが必要かもしれない」
そう語ったブラウンは、次のように付け加えた。
「恐らく、メーカーたちがキャッチアップするための開発、あるいは新しい燃料にエンジンを対応させるための開発を認めるトークンシステムのようなものになるんじゃないかな」