メルセデスとホンダの首脳たちが、最近まで最強を誇っていたフェラーリエンジンのパフォーマンスがどうしてオースティンで行われたF1第19戦アメリカGPで下がったのかはよく分からないと語った。
今シーズン後半に入ってからフェラーリが大きなパフォーマンスアップを果たし、第13戦ベルギーGP以降第17戦日本GPまで5戦連続でポールポジションを獲得。
そして第18戦メキシコGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にポールポジションを奪われ、決勝でもルイス・ハミルトン(メルセデス)にタイヤ戦略で優勝を奪われたものの、フェラーリの純粋な速さはライバルたちに勝っていた。つまり、エンジンパワーの面ではフェラーリがやはり最強の位置にいたのだ。
ところが、アメリカGPではそのフェラーリエンジンの勢いがなくなってしまい、メルセデスやレッドブル・ホンダとほぼ互角の状態となっていた。
アメリカGPの舞台となったオースティンではレッドブルが統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に対し、ルールに定められた燃料流量の細部に関して確認を求めていた。そしてそのとたんにフェラーリのアドバンテージが消えたことから、やはりフェラーリがこれまで何かルールの抜け穴を見つけて違法な技術を用いていたものの、アメリカではその技術を使えなくなっていたのでないかとの憶測もささやかれるようになっている。
この件に関し、メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフは次のように語った。
「データに関してはすでに話し合っているよ」
「フェラーリのトップスピードはこれまでの数レースとは完全に異なっていた」
「だが、それがFIAの指示によるものだったのか、あるいは何かほかの問題を抱えていたためだったのかは分からない。当然ながら、我々はフェラーリがどうやっているのかは知らないからね」
さらに、ホンダF1プロジェクトのテクニカルディレクターを務める田辺豊治もヴォルフと同じような説明を行っている。
「純粋なスピードに関しては、フェラーリとのギャップは以前のレースよりも小さくなっていました。それは確かです」
「しかし、それが単にエンジンによるものなのか、あるいはシャシーによるものなのかは分かりません」
ドイツの『Formel1.de』にそう語った田辺は、今後数週間のうちには状況がもっと明らかになってくるだろうと次のように付け加えている。
「ブラジル(第20戦/17日決勝)とアブダビ(最終戦/12月1日決勝)のデータも必要です。そうすればもっとよく分かってくるでしょう」