マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に対して批判の集中砲火が浴びせられている。
●【決勝結果】2019年F1第18戦メキシコGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
フェルスタッペンは、先週末に行われた今季のF1第18戦メキシコGP予選で“黄旗無視”をしてしまうとともに、決勝でもレース序盤にメルセデスのドライバーたちと“衝突”するなど、アグレッシブ過ぎると見られても仕方のないような走りを見せていた。
特に、予選後にバルテリ・ボッタス(メルセデス)が最終コーナーでクラッシュしたのに気付いたものの、そこでアクセルを緩めなかったことを堂々と口にしたことで、22歳のフェルスタッペンはF1ドライバーとしてまだ“未熟”だとの声が大きく上がっている。
フェルスタッペンと同じオランダ出身の元F1ドライバーであるヤン・ラマースは『NOS(オランダ放送協会)』に次のように語った。
「彼が口にした内容もひとつにはあるが、彼の発言の仕方の方がもっと問題だったと私は思っている」
「マックスが『わざとそうした』と言ったように聞こえてしまったんだ。私は不評を買ったのはあの言い方だったのだと思うよ。わざわざ問題を起こすようなものだったからね」
せっかくポールポジションをとりながらも黄旗無視によって3グリッド降格ペナルティーを受けたフェルスタッペンは4番グリッドからレースをスタート。しかしスタート直後にルイス・ハミルトン(メルセデス)とからんでコースオフし9番手にまで順位を下げてしまう。
フェルスタッペンはそのすぐ後にバルテリ・ボッタス(メルセデス)を強引にオーバーテイクした際の接触で右リアタイヤがパンク。フェルスタッペンはこれで最後尾にまで落ちてしまった。
そこから怒濤の追い上げを見せ、最終的には6位にまでばん回したフェルスタッペンはファン投票により「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選出されている。
だが、各国のメディアやF1関係者は概してフェルスタッペンに対して批判的だ。
ドイツのスポーツ誌『Kicker(キッカー)』は、最近では成熟度を増したと言われていたフェルスタッペンにF1キャリア序盤に見せていた「短気」な性格が戻ってきてしまったようだとし、次のように付け加えている。
「メキシコでは3連覇を逃すばかりか、6位で終えるとともに彼の荒々しいドライビングスタイルについての論争をよみがえらせてしまった」
フランスの『L’Equipe(レキップ)』も、「フェルスタッペンは以前よりも賢くなったと考えられていたものの、彼はメキシコでそうではなかったことを示してしまった」と書いている。
また、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、フェルスタッペンはしばしば「勇気と無謀が交差する点にいる」とし、次のように続けている。
「それによって彼が多くのファンを得るという面もあるだろう。だが、同時に彼が未熟で傲慢だと批判する者たちも増えることになる」
1997年のF1チャンピオンであり、日頃から歯に衣着せぬ発言をすることでも知られるジャック・ビルヌーブも『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「フェルスタッペンのふるまいはF1ドライバーには値しないね」
「彼は本当に週末を台無しにしてしまったし、カメラの前では非常に傲慢だった。ファンがどうして彼をドライバー・オブ・ザ・デイに選出したのか本当に理解できないよ」
2010年にロシア人初のF1ドライバーとなったことで知られるビタリー・ペトロフもこうした批判に同調し、「再三再四、彼はまだ感情を抑えることができない子供だということを示してきている」とコメント。
そして同郷オランダ出身の元F1ドライバーであるロバート・ドーンボスもさすがに後輩ドライバーをかばえなくなってきているようだ。
「スパ(ベルギーGP)、日本、そして今度はメキシコでも彼は衝突してしまった」
オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』にそう語った元レッドブルドライバーのドーンボスは次のように付け加えた。
「それによって彼は多くのポイントを失ってしまった。レースで事故に遭うこともあるだろう。だが、今みたいにしばしばこういうことが起きるのは受け入れられないよ」