ニコ・ヒュルケンベルグがハースへの移籍を決断しなかったのは、もっとポテンシャルの高いチームで走ることを望んでいるからだ。
そう語ったのは現在ヒュルケンベルグが在籍しているルノーのマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールだ。
ルノーは2020年シーズンに向けてヒュルケンベルグとの契約を更新せず、昨年までフォース・インディアで走っていたエステバン・オコンを起用することになっている。
ルノーのシートを失うことになったヒュルケンベルグはハースへの移籍が濃厚だと考えられていたが、大方の予想を裏切ってハースはロマン・グロージャンを残留させると発表。現時点ではヒュルケンベルグの来季の去就は不透明なものとなっている。
ヒュルケンベルグはハース移籍に至らなかった理由を詳しくは語っていないが、10月初旬にロシアの『Sportbox(スポルトボックス)』に対して「さまざまな要素があったんだ。そして彼らの今年のパフォーマンスもそのひとつだったよ」と語り、自分がハースとの契約を望まなかったことを示唆していた。
そして、アビテブールがこのほどロシアの『Championat(カンピオナ)』に次のように語った。
「ニコのキャリアがどういうステージにあるかということに目を向ける必要がある」
「それに、彼はただF1にいたいがためだけにF1で走りたいと思っているような人間ではないんだ」
「彼にとってF1は野心の場であり旅なんだ。ただそこにいればいいというわけじゃない。彼にとっては達成すべき目標が重要なんだ。我々のチームが抱いているような目標がね」
「ニコはプロフェッショナルだし、ハースではそうした目標を達成できそうにないということを理解できるだけの経験も持ち合わせている」
「ハースのことをけなそうと思っているわけではないよ。だが、彼が自分の望む結果をあそこで達成することができないのは明白だよ」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「私は、ニコは模範になり得ると思っている。彼は野心に欠けた人物なんかじゃないよ」
実際のところ、もしヒュルケンベルグが2020年にF1残留することを目指すとすれば、残された可能性はアルファロメオだけだろうと言われている。
だが、アルファロメオも現時点ではコンストラクターズランキング8番手に位置しており、9番手のハースとの差はわずか7ポイントに過ぎない。
仮にアビテブールのコメントが的を射ているものであるならば、ヒュルケンベルグが2019年限りでF1キャリアに終止符を打つことになる可能性が高いということになるかもしれない。