ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)が、アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールと話をしていることを認めた。
今季限りでルノーのシートを失うことが確定している32歳のヒュルケンベルグだが、一時はロマン・グロージャンの後任として2020年にはハースに迎え入れられるのではないかと考えられていた。
ところが、ハースはシンガポールにおいてグロージャンの残留を発表。ヒュルケンベルグが来季F1に残留できるかどうか不透明な状況となってしまった。
ロシアの『Sportbox(スポルトボックス)』からハースとの交渉がうまくいかなかった理由を訪ねられたヒュルケンベルグは次のように答えている。
「さまざまな要素があったんだ。そして彼らの今年のパフォーマンスもそのひとつだったよ」
そのヒュルケンベルグに残されたチャンスは、アルファロメオもしくはウィリアムズだけだと言われている。
だが、ウィリアムズはロバート・クビサの後任にリザーブドライバーのニコラス・ラティフィを昇格させる可能性が高いと見られており、実際にはアルファロメオがヒュルケンベルグのF1残留に向けての最後の望みとなるようだ。
アルファロメオではすでにキミ・ライコネンと2020年までの契約を結んでいる。だが、チームメートのアントニオ・ジョビナッツィはここまで目立った成績は残せていないものの、最近徐々にパフォーマンスを向上させてきている。
しかも、ジョビナッツィにはアルファロメオとの間に太いパイプがあるフェラーリによる強力な支援もある。
だが、ヒュルケンベルグの方にも明るい材料がないわけではない。それは、現在アルファロメオを率いるバスールとの関係だ。
バスールはシンガポールでヒュルケンベルグについて次のように語っていた。
「私以上に彼のことをよく知っている者は誰もいないよ。彼は私のチームでF3とF2のチャンピオンになったんだ。だから、私は2017年に彼をルノーに迎えたんだ」
2016年にはルノーのチーム代表を務めていたバスールだが、ヒュルケンベルグとの契約を交わしたものの、その年限りでルノーと袂を分かち、翌2017年7月にザウバー(現アルファロメオ)のチーム代表に就任していた。
ヒュルケンベルグは、今後2、3週間のうちに2020年にどうなるかがはっきりすることを望んでいると次のように語っている。
「どうなるのかはまったく分からない。だけど、今ではすでに最終期限が近づいてきている。どうなるか、様子を見ていこう」
ヒュルケンベルグはさらにバスールと話をしていることを認め、次のように付け加えた」
「もちろんさ。僕はもう何年も前から彼のことを知っているし、僕たちは友人関係にもあるからね。もちろん、僕たちは話をしたよ」
2010年にウィリアムズでF1デビューを飾ったヒュルケンベルグは、2011年はシートを確保できなかったものの、2012年以降はフォース・インディア、ザウバー、ルノーでドライバーを務め、今年で通算9年目のF1シーズンを迎えている。
ヒュルケンベルグはもし通算10年目となる2020年のF1シート獲得に失敗すれば、2021年にF1復帰する可能性は小さいだろうと次のように付け加えた。
「もしF1以外のところに身の置き場を見つければ、もう(F1に)復帰したいと思わなくなる可能性はあるよ」