ポーランド出身F1ドライバーのロバート・クビサが、1シーズン限りでウィリアムズのシートを失うことになる可能性が高いようだ。
●【決勝結果】2019年F1第14戦イタリアGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
ロータスに在籍していた2011年にラリー事故で大けがを負ったクビサだが、今年8年のブランクをへてウィリアムズから奇跡的とも言えるF1復帰を果たして大きな話題となった。
だが、ここまで昨年のF2チャンピオンであるルーキーのジョージ・ラッセルに負け続ける非常に苦しいシーズンが続いている。
現時点では、雨による大波乱の展開となった第11戦ドイツGPで10位フィニッシュして1ポイントを獲得したクビサがランキングこそノーポイントのラッセルをリードしている。
だが、実際のところ予選ではここまで全レースでラッセルがクビサを上回っており、決勝もクビサがラッセルよりも上位でフィニッシュしたのは第8戦フランスGPとドイツの2レースしかない。
先週末にモンツァで行われた第14戦イタリアGPにおいてもラッセルが1ラップダウンの14位フィニッシュだったのに対し、クビサは2ラップダウンの17位でレースを終えている。
そうした状況のもと、ウィリアムズのチーム副代表を務めるクレア・ウィリアムズは、モンツァで次のように語った。
「私たちは現在、2020年のレースドライバーに関して、どうすればいいのかを検討しているところです」
だが、メルセデスの支配下にあるラッセルはすでにウィリアムズとの間に2021年までの契約を結んでいると考えられており、2020年もラッセルがウィリアムズに残留するのはほぼ確実だ。
そうした中、モータースポーツ界に広い人脈を持つことで知られるオランダ出身マーケティング専門家のシャレル・ヤルヴィングが、現在F2に参戦するかたわらウィリアムズのリザーブドライバーを務めているカナダ人ドライバーのニコラス・ラティフィがこのほどウィリアムズと2020年の契約を結んだと語り、次のように付け加えている。
「ウィリアムズは生き延びるために、大金が詰め込まれた別のバッグを手に入れた」
実際のところ、ラティフィの父であるマイケル・ラティフィは大富豪として知られており、マクラーレンの共同オーナーを務めている人物だ。
今季、ラティフィは第7戦カナダGP、第8戦フランスGP、第13戦ベルギーGPで金曜フリー走行1回目に出走している。そのうちクビサと組んで出走したフランスとベルギーではいずれもクビサを上回るタイムを刻んで見せている。
ラティフィはF2で現在ランキング2番手につけており、このまま順当に行けば来季F1デビューを果たすために十分なスーパーライセンスポイントを獲得することができる状況となっている。
ラティフィの父であるマイケル・ラティフィは6月の時点で息子の今後について次のように語っていた。
「夏が終わる頃には彼がどこに行くのかがはっきりするだろう」