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メルセデスのボスがFIAに苦言「ルクレールにペナルティーを与えなかったのはフェラーリファンの怒りを恐れたから」

2019年09月09日(月)18:37 pm

メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフは、F1イタリアGP決勝で優勝を果たしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)にペナルティーが科されなかったのはFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員たちが地元イタリアのフェラーリファンを怒らせたくなかったためだと考えている。

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■F1競技委員の判断に疑問を呈するハミルトン

モンツァ・サーキットで行われたイタリアGP決勝ではポールポジションからスタートしたルクレールと2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が熾烈なトップ争いを演じた。

そしてハミルトンがルクレールの横に並びかけたときにルクレールが強引に幅寄せするシーンもあり、ハミルトンは自分のマシンを半分ほどコース外にはみださせることで接触を避けなくてはならなかった。

それ以外にも、ハミルトンのオンボードカメラの映像では、ルクレールがブレーキング中にラインを変えたように見えたシーンも何度かあり、ハミルトンも無線を通じてルクレールの走法にクレームをつけていた。

「競技委員たちは今朝ベッドの違う側で目を覚ましたんだと思うよ」

レース後にそう語ったハミルトンは次のように付け加えた。

「僕は何度か彼(ルクレール)と衝突するのを避けなくてはならなかったんだ。だけど、あれが現在のレースのやり方なんだろうね」

■オーストリアでのフェルスタッペンと同じことをやっただけとルクレール

ルクレールもレース後にイタリアGP決勝では「限界ギリギリ」まで攻撃的に走行したことを認めている。

だがルクレールは、自分がそういうアグレッシブな姿勢をとるようになったのは第9戦オーストリアGP決勝で自分が同じようにマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に攻められたものの、そのときフェルスタッペンにペナルティーが科されなかったためだと次のように語った。

「今日僕が勝つことができたのはオーストリアのおかげさ。こういうレースができることをうれしく思っているよ」

■FIAはティフォシの反応を恐れたのだとヴォルフ

しかし、ヴォルフはイタリアGP決勝でのルクレールの行為にはペナルティーが科されるのが妥当だったと思うと語ったものの、次のように続けた。

「だが、もし競技委員が(ルクレールに)5秒ペナルティーを科したらどうなっていたか想像できるかい?」

「サーキットを出るときに警察官による警護が必要になっていただろうね」

確かに、ティフォシと呼ばれる熱狂的なフェラーリファンで埋め尽くされたモンツァでもしルクレールにペナルティーを与え、それによってフェラーリの優勝が消えてしまっていたらかなり大変な事態を招くことになった可能性は否定できないだろう。

だが、ヴォルフは今回の件でFIAのF1競技委員長を務めるマイケル・マシに対して文句を言うつもりはないと次のように付け加えている。

「私はすでに十分過ぎるほどの問題を抱えているし、マイケル・マシやFIAとこの問題を話し合うことでもうひとつ問題を増やす必要もないよ」

■レースに対するアプローチを変えつつあるFIA

今年のF1シーズン開幕直前に急逝したチャーリー・ホワイティングの後任としてF1競技委員長を務めているマシは、今回ルクレールにペナルティーが科されなかったのは「ドライバーたちはコース上で戦うことが許されている」という原則に則って判断を行ったためだとし、次のように付け加えた。

「取り組み方を変えつつあるし、それが結果につながっているよ」

マシが言及したのは、前戦ベルギーGPから復活した黒白旗のことだ。この黒白旗は非スポーツマン的行為を行ったドライバーに警告として提示されるもので、例えて言えばサッカーのイエローカードのようなものだ。

この黒白旗は長らくF1では使用されていなかったが、マシらがその復活を提言し、ベルギーではピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)に対して提示されていた。

そして、イタリアでもハミルトンに対してかなりアグレッシブなディフェンスを行ったルクレールに対してもこの黒白旗が提示されていた。

具体的な取り決めはないものの、同一レースで複数回黒白旗が提示されたような場合には、何らかのペナルティーが科されることになると考えられている。

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