フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、セバスチャン・ベッテルがフェラーリのナンバー2ドライバーに格下げされるわけではないと主張した。
●【決勝レース結果】F1ベルギーGP決勝レースのタイム、周回数、ピット回数
先週末にスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた今季のF1第13戦ベルギーGPでフェラーリが待望の今季初勝利をあげた。
そしてトップチェッカーを受けたのはナンバー1ドライバーのベッテルではなく、今季2年目のF1シーズンを迎えたばかりのシャルル・ルクレールだった。
■ルクレールが新たなナンバー1だとイタリアのメディア
かねてからベッテルに対する批判的な論評が多かったイタリアでは、これでフェラーリのドライバーの序列が変わり、ルクレールが新たなナンバー1ドライバーになったのだと報じられている。
『La Repubblica(レプブリカ)』は「ベッテルはルクレールに道を譲るしかない」と書き、『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』も「13戦を終え、フェラーリもルクレールがマラネロの伝統を引き継ぐべき男だということを理解した」と報じている。
さらに、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も次のような主張を展開している。
「シャルルはこの日のために多くの不運なときを過ごしてきた。だが、ベルギーで彼はチームリーダーの役目を引き継いだ」
「未来はシャルルの手の内にある」
■ドイツのメディアも悲観的
そして、ベッテルの母国であるドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』でさえ、ベッテルがルクレールのサポート役に回らざるを得なかったという現実を受けて次のように書いている。
「ベッテルの屈辱も最終段階に入ったようだ」
■そのとき速い方が優先されるだけだとビノット
だが、フェラーリでは今後実際にベッテルをナンバー2として処遇することになるのかと質問されたビノットは次のように答えた。
「いや、いや、そうではない」
「単に、より速いものが前にいる場合はそれによってチームの利益が優先されるということだけだ。そしてそれは今後も変わることはないよ」
「セブ(ベッテルの愛称)にもまだチャンスはある。我々は1レース1レースに臨んでいくし、そのとき速いものが前に出ることになるんだ」
■根強くささやかれるベッテルのフェラーリ離脱に関するうわさ
だが、ベルギーGPの結果を受け、2020年までフェラーリとの契約があるベッテルが、今季限りでそれを解除して引退してしまうか、あるいは古巣レッドブルに復帰することになるのではないかとのうわさがさらに強くささやかれるようになっている。
実際のところ、ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に対し、レッドブルのドライバー責任者であるヘルムート・マルコが「ベッテルは来年も(フェラーリとの)契約がある」ことを知りつつも、ベッテル担当の弁護士と話をしたと語ったと伝えられている。
そうしたベッテル離脱のうわさについてコメントを求められたビノットは、次のようにこれを否定している。
「それらはすべてでたらめだよ。セブは今でも我々のところでF1チャンピオンになることを望んでいるんだ」