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「ベッテルがF1引退を決断してもおかしくない」とゲルハルト・ベルガー

2019年08月27日(火)18:29 pm

元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、セバスチャン・ベッテルが今季いっぱいでF1引退を決める可能性もあると考えている。

■足踏み状態に陥ったベッテル

レッドブル時代に4度F1王者となったベッテルだが、これまでのF1キャリアを通じて52勝を達成している。これはミハエル・シューマッハの91勝、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の81勝に次ぐ歴代3位の記録だ。

だが、そのベッテルはちょうど1年前に行われた2018年のF1ベルギーGPで優勝したのを最後に、それ以降は表彰台の中央に立つことができていない。

しかし、ベッテルは今週末に行われる今季の第13戦ベルギーGP(9月1日決勝)を前に『Blick(ブリック)』に次のように語っている。

「今年表彰台の一番上に立つことができるという自信があるよ」

「僕たちは絶対にあきらめない。実際のところ、クルマの開発も推し進めているし、僕のクルマのリアが抱えていた問題も今ではそれほど悪くはなくなったと感じているよ」

■F1引退のうわさも

だが、最近ではベッテルのF1引退説などもささやかれる状況となっているのも事実だ。

ベッテルは、2014年にハイブリッド方式の1.6リッターターボF1エンジンが導入されて以来、以前の自然吸気エンジンの方がよかったと主張し続けてきていることで知られている。

さらに、最近では今季の第7戦カナダGP決勝でトップチェッカーを受けながらルイス・ハミルトン(メルセデス)に対する妨害行為があったとしてペナルティーを与えられて優勝を逃した際、今のF1はかつて自分が愛していたものとは違ってしまっていると嘆いたことも報じられた。

ベッテルは、基本的にプライベートな生活のことを表に出さないという主義を貫いていることでも知られているが、妻のハナは現在3人目の子供をお腹に宿していると考えられている。

こうした背景もあり、ベッテルがF1引退を決断してもおかしくないという見方もあるわけだ。

■レッドブル復帰説も

フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』は、ベッテルのフェラーリとの契約にも俗に“パフォーマンス条項”と呼ばれる契約解除条項が盛り込まれており、もしドライバーズランキングにおいてトップ3に入ることができなかった場合には契約を解除できるという条件が設定されていると報じている。

ちなみに、現時点でベッテルはドライバーズランキング4番手に位置している。

『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』は、ベッテルがフェラーリとの契約を解除し、古巣レッドブルに戻る可能性もあると見ている。

■ベッテルが引退を選ぶ可能性はあるとベルガー

だが、ベッテルが2007年の第11戦ハンガリーGP以降トロロッソのレギュラードライバーとなったときに同チームの共同オーナーを務めていたベルガーは、ベッテルがF1から完全に引退してしまう可能性も考えられると『DPA通信』に次のように語った。

「セバスチャンは非常に知的な男だし、もちろん自分の人生に関してはほかの面もたくさん有しているよ」

「彼は非常に家庭的だし、子供たちもいる。そしてお金に困ることもない。彼はこれ以上何も必要としていないんだ」

ベッテル本人は、引退のうわさを否定し続けている。

だが、かつてフェラーリやマクラーレンで活躍したベルガーは次のように続けた。

「僕には簡単に想像できるんだ。ある朝、彼が目覚めたときに“すべてにイライラさせられている。僕は何かほかのことをするか、あるいはこんな複雑なルールにしばられないもっと楽しいレースをしようと思う”と言っている姿がね」

■ベッテルの時間はなくなりつつある

ベルガーは、勝てない状況が続く中、今季からチームメートになった21歳の若いシャルル・ルクレールが自分を上回るパフォーマンスを発揮し始めているという現状は「ベッテルにとって楽ではない」のは確かだと語り、次のように続けた。

「彼の時間はなくなりつつあるんだ」

「ミハエル(シューマッハ)とはちょっと違うところがある。彼はチームに対してもっと厳格で、もっと導いていた。これはセバスチャンに対する批判ではないがね」

「セバスチャンは非常に懸命で努力家だ。ただ、性格的にそうではないということだ」

そう語ったベルガーは、次のように付け加えた。

「チームをうまく機能させるのは首脳陣の義務だよ」

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