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「F1エンジンにはさらなるハイブリッド化が必要」とメルセデスのボス

2019年08月23日(金)18:54 pm

22日(木)に2021年以降に導入される予定のF1マシンの風洞モデル写真が公開されたが、実際のところまだ技術ルールや競技ルールは合意に至っておらず、最終的に2021年以降のF1がどのような形で運営されていくことになるのかはまだ不透明な状況にある。

現時点ではまだルノーが2021年以降もF1参戦を続けるかどうか明らかにしておらず、ハースF1のオーナーであるジーン・ハースももし2021年からのF1ルールが「重荷」となるようであれば撤退もありえると警鐘を鳴らすなど、今後どのような形で決着を見ることになるのか依然として不透明な状況が続いている。

一方、世界の自動車産業が脱化石燃料の方向へ向かっているのは間違いなく、世界的な自動車メーカーたちがそのための実験現場としてこぞってフル電動フォーミュラカーによる世界選手権であるフォーミュラEに参戦し始めている。

2014年以降F1最強チームとして君臨しているメルセデスも例外ではなく、9月に行われるフランクフルト自動車ショーで新型フォーミュラEマシンを発表することを計画するなど、フォーミュラEの戦略的な価値が増大しつつあるのは間違いない。

こうした状況を受け、そのうちフォーミュラEとF1の立場が逆転するのではないか、あるいは将来的にF1がフォーミュラEに取り込まれてしまうのではないかとの声も上がるようになってきている。

だが、メルセデスF1チームのCEOであり、親会社メルセデスのモータースポーツ責任者でもあるトト・ヴォルフはドイツの放送局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。

「2021年からのルールを正しいものにすることが重要なんだ。そうすればF1を魅力的なものにとどめることができるだろう」

だが、どうすればF1を魅力的なものにとどめることができるのか、それは簡単な課題ではない。例えば、一時かつてのF1人気を取り戻すために2021年以降は大音響を発生する自然吸気F1エンジンを復活させることも検討課題に上がっていた。

だが、市販車の非化石燃料化が急速に進みつつある現状を鑑みれば、最先端技術の実験室だと言われ続けてきたF1が時代後れとも言われかねないエンジンに戻すことが現実的に不可能であるのも事実だろう。

結局、F1は2021年以降も現行のハイブリッド方式F1エンジンを継続することになったが、ヴォルフはPU(パワーユニット)と呼ばれる現行F1エンジンをもっとうまく宣伝することが必要だと語るとともに、将来的にはもっとハイブリッド色を強めていくべきだと主張している。

2021年から導入される新F1ルールの最終決定期限は10月末に設定されている。

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