アルファロメオのチームマネジャーを務めるベアト・ツェンダーが、今季18年ぶりに戻ってきたキミ・ライコネンを絶賛した。
今季は登録名称こそアルファロメオに変わったものの、今もその実態はスイスに本部を構えるザウバーであることに違いはない。そして、ザウバーはライコネンにとっては2001年にF1デビューを飾った思い出のチームでもある。
ザウバーが当時21歳だったライコネンの起用を発表したとき、F1関係者の多くがそれに対して疑問の声をあげていた。その時点でのライコネンのフォーミュラカー経験はフォーミュラ・ルノーしかなく、F3で走ったこともないライコネンはF1でまともに走ることすらできないだろうと考えていた者もいた。
ところが、ライコネンはチームメートのニック・ハイドフェルドと互角の戦いを展開するパフォーマンスを見せ、翌年はトップチームのマクラーレンから引き抜かれることになった。
2001年当時もザウバーのチームマネジャーを務めており、デビューイヤーのライコネンを間近に見ていたツェンダーは、2007年にフェラーリでF1チャンピオンとなるなどの経験を積んで戻ってきたライコネンは、もはや非の打ち所のないドライバーだと次のように語った。
「キミは指示を受けずにドライブしているよ」
「キミはすべて自分ひとりでやってしまうんだ。彼はすべてを理解している」
「エンジニアたちはお互いにエンジンのセッティングを変更すべきかどうかを話し合うのだが、まさにそのとき、キミは独力でそれを変えてしまうんだ。彼には何をするべきか、いつそれをするべきかということがはっきりと分かっているんだ」
実際のところ、今シーズンの前半戦を終えた時点でアルファロメオはトータル32ポイントを稼いでコンストラクターズランキング7番手に位置している。
だが、そのうちの31ポイントはライコネンが稼ぎ出したもので、今年初めてのF1フルタイムドライバーとなったチームメートのアントニオ・ジョビナッツィはまだ1ポイントしか獲得できていない。
ツェンダーはそのジョビナッツィについても次のように語った。
「今シーズン序盤は彼を少しばかりがっかりさせてしまった。だが、今では彼も日に日に進歩を遂げているよ」