先週末にホッケンハイムで行われた今季のF1第11戦ドイツGPを今季最悪の結果で終えたルイス・ハミルトンだが、週末の間ずっと体調不良に苦しめられていたようだ。
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「これほど気分が悪かったことはこれまで一度もなかったよ」
レース翌日の月曜日(29日)にそう語った34歳のハミルトンは次のように付け加えた。
「健康がどれほど大事かということに本当に気付かされたよ」
■リタイアを望んでいたハミルトン
ドイツGP決勝でマシンコントロールを失ってウォールにクラッシュしたハミルトンは、ダメージを負ったノーズ交換に手間取ったり、再びコース上でスピンを喫したりと散々なレースとなってしまった。
そして、ある時点では担当エンジニアに無線で「リタイアしたい」と伝えていたようだ。
だが、エンジニアは次のように答えたという。
「だめだ、ルイス。まだチャンスはある」
■一時は予選・決勝を欠場する可能性も
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は、ハミルトンがリタイアを望んだのも無理からぬことだったのだと理解を示している。
「ルイスは週末の間ずっと体調が悪かったんだ。だが、彼はできる限りのことをやったと私は思っているよ」
そう語ったヴォルフは、メルセデスがハミルトンの代わりにリザーブドライバーのエステバン・オコンを予選から起用することも検討していたことに言及しながら次のように付け加えた。
「我々のうち多くの者がクルマに乗るとは考えていなかったんだ。だが、彼は乗ったよ」
そして、ハミルトンは体調に不安を抱えながらも予選では見事にポールポジションを獲得する走りを見せた。
しかし、今季初めてのウエットコンディションで迎えたレースは雨に翻弄されたこともあり、11番手でチェッカーを受けるのがやっとだった。
だが、レース後にアルファロメオ勢にタイムペナルティーが科されたことでハミルトンの正式順位は9位に繰り上がり、2ポイントを獲得。リタイアせずに最後まで走りきったことで得られた2ポイントだった。
■ハンガリーGPまでに復調を目指す
ハミルトンは、2週連続開催となる次戦ハンガリーGP(8月4日決勝)までには体調を整えるつもりだと次のように語っている。
「約束はすべてキャンセルしたし、家で何日か過ごすことになる。クルマに乗らないことが一番いいからね」
「あまり気分がよくないんだけど、数日もすればよくなることを期待しているよ」
■ベッテルにとっては復活のきっかけに?
一方、ハミルトンとは対照的なレースとなったのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだ。
マシントラブルを抱えたベッテルは予選でタイムを刻むことができず、決勝を最後尾グリッドからスタートしていた。
だが、めまぐるしく変わるコンディションをうまくチャンスに変えたベッテルはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に次ぐ2位でレースをフィニッシュすることに成功した。
最近ではチームメートのシャルル・ルクレールの方が目立つ走りを見せることが多くなっていたものの、ドイツではルクレールがクラッシュでリタイアしたこともあり、イタリアのメディアも今回のベッテルの走りには満足しているようだ。
『La Repubblica(レプブリカ)』は次のように報じている。
「昨年、ホッケンハイムは(ベッテルにとって)終わりの始まりだった。今年はこのレースが復活の始まりとなるかもしれない」