「レッドブル・ホンダは勝てるチームになった」とフェルスタッペンのマネジャー
マックス・フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）のマネジャーが、今季F1タイトルを獲得するチャンスはまだあると主張した。
●【決勝結果】2019年F1第11戦ドイツGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
今季中盤にきてレッドブル・ホンダのパフォーマンスが向上してきているのは明らかだ。第9戦オーストリアGPで勝利を飾ったフェルスタッペンは、先週末の第11戦ドイツGPでも荒れた展開となったレースを制して今季2勝目を達成。過去3戦中2勝を収めたレッドブル・ホンダとフェルスタッペンにいい風が吹いているのは間違いない。
それとは対照的に、ドイツでは今季7勝をあげている現チャンピオンのルイス・ハミルトン（メルセデス）がトップ10フィニッシュもできないという結果に終わり、今や勢いは完全にフェルスタッペンの方に傾いてきたとも見える。
しかし、ドイツGP決勝でアルファロメオの2台がペナルティーを受けたことで正式結果では9位入賞となって2ポイントを獲得したハミルトンは獲得ポイントをトータル225ポイントに伸ばしており、ドイツで26ポイントを稼いで合計162ポイントに伸ばしたとは言え、フェルスタッペンとハミルトンとの差はまだ63ポイントもある。
ドイツではつまずきを見せたものの、メルセデスとハミルトンの地力を考えれば、その差を残り10レースで逆転するのが極めて難しいことであるのは事実だろう。
■まだメルセデスが最強であることに変わりはないとフェルスタッペン
勝利後のホッケンハイムリンクでまだ今季のタイトル獲得チャンスはあると思うかと質問されたフェルスタッペンは次のように答えた。
「分からないよ。タイトル争いでは彼らがはるか前にいるからね」
「差は2勝分以上あるし、今でも彼らが最強チームの位置にあると僕は思っているからね。今日はものすごく難しいコンディションだっただけだし、彼らの日ではなかったということさ」
だが、フェルスタッペン関係者たちは今季のタイトル獲得をあきらめたわけではないと主張している。
■差は本当に縮まったとマネジャー
フェルスタッペンのマネジャーを務めるレイモンド・フェルミューレンは、ドイツGPがウエットコンディションとなったことや、メルセデスがミスを犯したことでレッドブル・ホンダにチャンスが生まれたというような単純な話ではないと主張している。
「我々は今後も小さな一歩を積み重ねていく必要がある」
「しかし、シルバーストン（第10戦イギリスGP）でも2位でフィニッシュし、ポールポジションだってとれる可能性があった。だから、差は本当に縮まってきたと私は考えている」
フェルスタッペンの母国オランダの『Formule 1（フォーミュレ1）』に対し、レース終盤にセバスチャン・ベッテル（フェラーリ）に追突されて表彰台を逃したイギリスGP決勝に言及しながらそう語ったフェルミューレンは次のように付け加えた。
「あのメルセデスでさえピットストップでパニックに陥ることがあるのを目にした。だが我々はすべてがパーフェクトだった。このチームは素晴らしいよ」
■今フェルスタッペンは勝てるチームにいる
今から1か月ほど前には現在レッドブルと結んでいる2020年までの契約に設けられているパフォーマンス条項と呼ばれる解除条項を行使してほかのチームへ移籍する可能性さえ示唆されていたフェルスタッペンだが、最近ではそうしたうわさもほとんどささやかれなくなっている。
「それがどういうことかは分かるだろう」
フェルミューレンはそう語ると次のように続けた。
「このビジネスはパフォーマンスと同義語なんだ。だから誰もがパフォーマンス条項を設けている。誰もが最高レベルのチームにいることを望んでいるんだ」
「我々は常にこう言ってきていた。ここにいることを非常に満足しているが、我々は勝ちたいのだとね。そして今、我々は勝利できるようになった」
■シーズン後半はさらに強さを発揮できる
それゆえ、フェルミューレンは今季の残り10レースでフェルスタッペンとレッドブル・ホンダがセンセーショナルな逆転劇を演じる可能性がないと断定するには早すぎると次のように続けている。
「我々は、今後レッドブルにどういう見込みがあるのか、ホンダにどういう見込みがあるのかを知っている。だから、我々はシーズン後半には非常に大きな自信を持って臨んでいくことになる」
「私はシーズン後半には我々がすごい強さを発揮できるはずだと本気で考えているよ」
フェルスタッペンとレッドブル・ホンダがシーズン後半に本当に最強メルセデスと互角以上の勝負を展開していくためには、夏休み前最後のレースとなる今週末のハンガリーGP（9月4日決勝）が非常に大きな意味を持つレースとなるのは間違いないだろう。
