マッティア・ビノット(フェラーリ/チーム代表)が、フェラーリはセバスチャン・ベッテルを頼りにしていると語った。
今年のプレシーズンテストではメルセデスを上回るパフォーマンスを示していたフェラーリ2019年型マシンだが、いざシーズンが始まってみればメルセデスに8戦連続勝利を許すとともに、第9戦オーストリアGPではレッドブル・ホンダに先に勝利をあげられてしまった。
今季はまだ1勝もできていないフェラーリだが、エンジンパワーに関してはメルセデス以上だと考えられており、伝統的な高速サーキットであるシルバーストンで開催される今週末のイギリスGP(14日決勝)には期待ができるかもしれない。
だが、ビノットはシルバーストン・サーキットのレイアウトはフェラーリ2019年型マシンにうまく合うものだとは思えないと語っており、あまり自信を持って臨めるような状態ではなさそうだ。
■今のフェラーリチームはまだ若くて経験不足
数日前、フェラーリにとって最大のライバルであるメルセデスのトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は、本当であればフェラーリは今季すでに2勝か3勝していてもおかしくなかったのだと語ったことが報じられている。
そして、ビノットもドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「フェラーリはまだ勝てていない。その通りだ。だが、我々が何度かチャンスを逃したためでもある」
「数値的には、現時点ではメルセデスの方が勝っている。だが、その差は実際のところ小さくなってきているんだ」
ビノットは、フェラーリがまだメルセデスのレベルに到達できていないのは、昨シーズン後半に失速したことが大きかったのだと語り、次のように続けた。
「我々はまだそこからばん回しなくてはならない状況だ。だが、我々は開発に関しては若いチームなんだ。適切な経験を積んで初めて最高のパフォーマンスが可能となるんだ」
「しかし、ひとつ確かなことがある。我々には正しいポジションに的確な人材がいるということだ」
そして、ビノットはその適材適所の人材のひとりがセバスチャン・ベッテルだと主張している。
■ベッテルはフェラーリにとって重要な存在
現在フェラーリで非常に大きなプレッシャーを抱えているベッテルについては、古巣レッドブルへの復帰、あるいはF1から引退する可能性もあるだろうとうわさされている。
「彼にとっては楽な状況でないことは確かだ。だが、彼はチーム再建における自分の役割を理解している。彼は私にとって非常に大切な存在なんだ」
そう語った49歳のビノットは次のように付け加えた。
「彼は自分だけの力で勝てる者など誰もいないし、みんなと一緒にやってこそ勝てるのだということを分かっている。未来の方が過去よりももっと重要だし、我々が彼を頼りにしているのだと彼が感じることが大切なんだ。そして、我々は彼を頼みにしているよ」