ロバート・クビサ(ウィリアムズ)が、2020年も自分がF1グリッドに並んでいるかどうかを語るには今はまだ早すぎると主張した。
今年8年のブランクを経てウィリアムズのドライバーとしてF1復帰を果たしたクビサだが、戦闘力に劣るウィリアムズF1マシンに苦しめられているばかりか、今年デビューを飾った20歳のジョージ・ラッセルのペースにさえついて行けない状態が続いている。
■記者の質問に苛立ったクビサ
F1オーストリアGPが開催された先週末のレッドブルリンクで、ある記者から2020年もまだF1を続けることになるかと質問された34歳のクビサは次のように答えた。
「その話をするのはまだ早すぎると思うよ。今季もまだあと12レースが残っているからね」
さらに、今シーズンも最後までウィリアムズのシートをキープできると思うかと訪ねられたクビサは次のように反撃した。
「どうして僕が今シーズンを終えられないのか教えてくれよ」
記者がそれに対して、自分は単に質問をしているだけだと言うと、クビサはこう切り返している。
「だから僕は答えているんだ。馬鹿げた質問に馬鹿げた答えでね」
■マシンが改善されなければ状況は変わらない
第8戦フランスGPで初めてラッセルよりも上の順位でフィニッシュしたクビサだったが、前戦オーストリアGPではグリッド降格ペナルティーを受けたラッセルよりも前で決勝をスタートしたにもかかわらず、結局またも最下位に終わるとともに、20人のドライバーのうち唯一3周遅れでのフィニッシュとなっている。
「頑張っていないわけじゃないんだ」
『Eleven Sports(イレブン・スポーツ)』にそう語ったクビサは次のように続けた。
「全力を尽くしているけれど、滑ってしまうし、タイヤがだめになってしまう。シルバーストン(イギリスGP/14日決勝)でも何も新しいもの(改良パーツ)がなければ同じ結果になるだろうね」
「チームメートより1秒も遅く走るのは決して楽しいことではないよ」
■今後改善を加速するとエンジニア
オーストリアGPでこれまでノーポイントだったアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィが初ポイントを獲得したことにより、今季まだ1ポイントも獲得できていないのはウィリアムズの2人のドライバーだけとなっている。
そして、現在のウィリアムズF1マシンの戦闘力を見る限り、今シーズン中にウィリアムズがポイントを手にすることができるとは考えにくい状況だ。
だが、ウィリアムズでシニア・レースエンジニアを務めるデイブ・ロブソンは、今季のマシンそのものはそれほど悪いものではないと主張している。
「クルマに何か致命的な欠陥があるとは考えていないよ。単に、我々の開発力が十分ではないということだ」
「昨年は開発の限界に到達したと考えたことで、今年は異なるアプローチをとったんだ。それによって一歩後退してしまい、本来の位置に戻るのにあまりにも多くの時間を要してしまった」
そう語ったロブソンは次のように付け加えた。
「ファクトリーからのデータとの相関性はいいんだ。そしてシルバーストンに向けて多くの修正を施すことにしているし、その後のレースにはより大きなパッケージを用意する予定だよ」