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2021年導入予定のチーム予算上限値は「高額過ぎる」とマクラーレンF1のボス

2019年06月20日(木)18:13 pm

マクラーレン・レーシングCEOのザック・ブラウンが、2021年に年間1億7500万ドル(約189億4000万円)のバジェットキャップ(チーム予算上限値)が導入されても、それによってF1チームの力が接近するとは限らないとの考えを示した。

■予算上限値が高過ぎるとブラウン

ブラウンはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、このほどリークされたそのバジェットキャップの金額は「驚きではなかった」と語り、次のように続けた。

「もちろん、もっと違う形になるのを望んでいる部分もある。だが、実現しないであろうことを求めて戦っても意味がないよ。エネルギーを無駄に使うだけだ」

その1億7500万ドルという額に関しては、まだF1オーナーのリバティ・メディアもF1統括団体であるFIAも正式に認めているわけではない。だが、その額にはドライバーや特定のチーム首脳への報酬などは含まれないと伝えられている。

「それらを除外してしまえば、依然として巨額であることに変わりはないよ」とブラウンは主張し、次のように付け加えた。

「最も重要なことはファンにいいレースを見せることだ。そうするためにそれほどの金がかかるとは私は思わないよ。だから、どのチームも同じような予算で戦わせられないものかね?」

■予算が小さくてもファンが喜ぶレースはできる

実際のところ、メーカー系ワークスチームの中では低予算であることが知られるルノーは、もし2021年に現在伝えられている1億7500万ドルの予算上限値が設定されれば、自分たちは現在の予算を削減するのではなく、増加させることができるだろうとしている。

ブラウンはアメリカのインディカーを例に挙げながら、もっと低予算にすればトップ3チーム以外のチームが勝つチャンスも生まれてくるだろうと次のように続けた。

「結局のところ、いずれにしても強いチームが勝つんだ。インディカーを見てごらんよ。ペンスキー、ガナッシ、そしてアンドレッティらがタイトルをとるわけだが、彼らが全てのレースで勝つわけじゃない。そして、それはこのスポーツにとっていいことなんだ」

「もっと低い予算上限値を設定すれば、そうなることを促進できるだろう」

■バジェットキャップが導入されても劇的変化は起きない

ブラウンはさらに、マクラーレンもルノー同様2021年に1億7500万ドルもの予算を計上するのは難しいかもしれないと示唆している。

「まず、我々は全ての分野において自分たちを改善することが必要だ。それから、バジェットキャップの元でほかのチームと同じような額を投資できるのかを見ていく必要がある」

「トップチームたちも我々よりも何百人も多くの人材を抱え、何百万ドルも多くの予算を持つことはできなくなる。だが、それによって2021年に劇的な変化が生じることはないだろう。しかし、チームが横並びになる端緒とはなるかもしれない」

■人員削減の不安も

ブラウンは、仮に1億7500万ドルのバジェットキャップを導入されても自分たちには大きな問題はないものの、大規模チームたちにとってはそうではないだろうと予想している。

「メルセデスのようなチームは数百名のリストラが必要になるはずだし、それが不安を生むことになるだろうね」

「私は彼らが人材をほかのプロジェクトに振り分けることができるよう期待している。人員を解雇するのは決していいことではないからね」

■これが最善の策だとF1ボス

F1最高責任者のチェイス・キャリーは、最終的なバジェットキャップの額に関して批判を受けることになるのは予想していたと認めている。

「原則として、我々は合意に至った。だが、現実的には常に不満を持つ者もいる。我々の行動原則は、このスポーツにとってよいものでなくてはならないということだ」

「我々は、大規模チームや小規模チーム、独立系チームやメーカー系チームそれぞれの希望を調整しなくてはならない」

オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ったキャリーは次のように付け加えた。

「恐らく、絶対に意見の一致を見ることはないだろうし、10チームから10の意見が出てくるだろう。しかし、それが実行可能な最善の解決策であることを全員が認めなくてはならないんだ」

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