ダニエル・リカルド(ルノー)が、今でもレッドブルを去ったことを後悔していないと主張した。
昨年8月にリカルドがトップ3チームのひとつであるレッドブルを離れ、2019年には中団グループに位置しているルノーに移籍すると発表した時は世界中が驚きの声をあげた。
リカルドがルノー移籍を決めた理由は、2019年から搭載することが決まっていたホンダエンジンに対する不安があったことや、レッドブルがマックス・フェルスタッペンを中心とするチームになりつつあると考えていたためだったと考えられている。
実際、2019年シーズンがスタートすると、まだメルセデスとフェラーリの域には到達していないもののホンダエンジンが着実な進歩を遂げたことが明らかになった。
一方で、ルノーのエンジンには信頼性問題が多発。マシン性能そのものも決して高いとは言えず、6レースを終えた時点ではコンストラクターズランキング8番手に沈んでいる。
昨年はレッドブルで2勝をあげ、ドライバーズランキング6位だったリカルドも、今季は現時点ではランキング13番手でくすぶっている状態だ。
そうした中、フランスの『L’Equipe(レキップ)』から、ルノーからのオファーを受け入れたことを満足しているかと質問されたリカルドはフランス語で「ウィ!」と答え、次のように続けた。
「変化があったことに満足しているよ。僕はそれを必要としていたんだ。僕は進化しなくてはならなかったし、新たな挑戦に立ち向かう必要があったからね」
「レッドブルで過ごした数年は素晴らしいものだった。だけど、僕にとってはそれを変える時だったんだ」
F1関係者の中には、リカルドはフェルスタッペンの存在が大きくなりつつあったレッドブルで続けるよりも、自分がナンバー1になる可能性が高いルノーに行くことを選択したのだと考えている者もいるようだ。
ニコ・ヒュルケンベルグをチームメートに持つリカルドも、もちろん自分がルノーのナンバー1になるつもりだと次のように語った。
「ああ、僕にはそれだけの能力があると思っているからね。少なくとも、それに挑戦したかったんだ」
「結果に関しては望んでいたような位置にはいない。だけど、チーム内の雰囲気やエネルギーは素晴らしいよ。僕には忍耐を学ぶ必要があるだけさ」
「F1は複雑な科学だし、時間もかかるものなんだ。僕には2020年までの契約がある」
「現時点での結果には少しがっかりしているけれど、僕たちはまだ建設段階にあるんだ。僕には今シーズンが終わる前にはいい結果を出し始められるという自信があるよ」
そう語った29歳のオーストラリア出身ドライバーは微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「そう書いてくれていいからね」