F1ブラジルGPの開催を巡り、サンパウロとリオデジャネイロの争いが激しさを増していくことになりそうだ。
かつてリオデジャネイロで開催されたこともあるブラジルGPだが、1990年以降はサンパウロに位置するインテルラゴス・サーキットで開催されてきている。
だが、ブラジルの新大統領となったジャイール・ボルソナーロが最近、2020年からはリオデジャネイロでブラジルGPを開催する意向を示し、それまでに新サーキットを建設する計画を進めることを発表した。
だが、実際のところ、2020年にリオデジャネイロでF1が開催される可能性は小さいようだ。
というのも、インテルラゴスは2020年まで有効な開催契約を結んでおり、リオデジャネイロのレース関係者も新サーキット建設は来年までには間に合わないだろうとの見解を示しているためだ。
リオデジャネイロのレースプロモーターとなるリオ・モータースポーツのCEOを務めるJR・ペレイラは『AFP通信』に次のように語っている。
「実際のところ、建設期間は16から17か月の予想だ」
しかし、サンパウロもリオデジャネイロにやすやすとブラジルGPを譲り渡すつもりはないようだ。
サンパウロ州知事のジョアオ・ドリアは次のように主張している。
「グランプリは2020年にインテルラゴスで開催されるし、その後もここにとどまるだろう」
「もしリオがサンパウロと戦うつもりでも、私はサンパウロが有利だと保証するよ」
だが、サンパウロに逆風が吹いているのは事実だろう。
すでにF1オーナーのリバティ・メディアがボルソナーロ大統領に宛ててブラジルGPのリオデジャネイロ移転を支持する旨の書簡を出したことが明らかになっているが、これは近年サンパウロの経済状況や治安状況が悪化していることを考慮に入れてのことかもしれない。
ともあれ、2021年以降のF1開催契約締結に向け、サンパウロとリオデジャネイロの間で激しい戦いが繰り広げられていくのは間違いなさそうだ。