今週末はモンテカルロ市街地サーキットにおいてF1伝統の1戦であるモナコGP(26日決勝)が開催される。このコースを走りきるにはミリ単位の精度が必要で、バリアに軽く触れてしまうだけでもリスクが生じる。きつく、曲がりくねったストリートコースはごくわずかなミスでもクラッシュにつながるため、週末を通じて完ぺきな集中力を必要だ。
昨年はホンダPU(パワーユニット)を搭載するトロロッソのピエール・ガスリーが予選10番手からスタートして7位に入賞し、6ポイントを獲得。オーバーテイクが難しいこのコースですばらしい結果を残している。
ホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治が、そのモナコGPに向けての抱負を語った。
■田辺豊治
「開幕から続いたフライアウェイレースからヨーロッパに戻り、初戦のスペインGPでは表彰台を獲得しました。次はいよいよ伝統のモナコGPに挑みます。モンテカルロ・サーキットは、モナコの街中を駆け抜ける、言わずと知れたストリートサーキットです。F1カレンダー中では最も1周が短く、平均スピードが低いトラックになります」
「公道のため路面は滑りやすく、狭いコースの両側にはバリアが迫ることもあり、ドライバーの腕が最も試されるグランプリと言えます。低速コーナーが多く、シャシーの性能が求められるコースと言われますが、PUとしては、パワー寄与度は低いもののコーナー進入時の減速や低速コーナーからの立ち上がり部分でのドライバビリティーがラップタイムに大きく影響します」
「そのコース特性ゆえにオーバーテイクが非常に困難ですので、まずはいいスタートポジションを獲得し、レースに臨みたいと考えています。スペインで得た勢いを維持しながら、今回もいい結果を得られればと思っています」