シャルル・ルクレールが期待以上の活躍を見せていることが、フェラーリにとっては頭痛の種になってしまうかもしれない。
フェラーリは事実上のナンバー1ドライバーであるセバスチャン・ベッテルの友人でもあるライコネンとの契約を更新せず、今年は若手のシャルル・ルクレールを抜擢した。
そのルクレールが第2戦バーレーンGPではマシントラブルさえ起きなければポール・トゥ・ウィンを達成するのがほぼ間違いないと考えられるほどの活躍を見せたのは記憶に新しいところだ。
2戦が終わった段階ではあるものの、ドライバーズランキングではすでにルクレールが4ポイント差をつけてベッテルの上4番手に位置している。
■フェラーリはライコネンを使い続けるべきだったとエクレストン
そうした中、前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、フェラーリがライコネンとの契約を更新しなかったのは間違いだったとフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「私はフェラーリがキミを放出したのは失敗だと思ったよ」
「彼はいいチームメートだったし、何の問題も起こさなかった。彼は自分がするべきことを分かっていたからね」
「もし彼がセバスチャンを前に出すよう求められれば、彼はそうしただろう。もし、チームを助けるためにスピードを落としてライバルたちを押さえ込んでくれと頼まれれば、彼はそうしたはずだ」
「シャルルにそういう仕事をする心づもりがあるかどうか、私には分からないよ」と88歳のエクレストンは付け加えている。
■フェラーリにはモラルの問題が発生しているとヴォルフ
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)も、ルクレールが非常にいいドライバーであるのは間違いなく、そのことが今季のフェラーリにとっては頭痛の種にもなってきていると考えている。
「ルクレールは将来F1チャンピオンになれるし、今年そのチャンスがあるかもしれない」
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「現在、フェラーリはモラルの問題を抱えているよ」
「一方で、彼らは4回チャンピオンになった者(ベッテル)をサポートしなくてはならない。だが、その一方で彼らはスーパータレント(ルクレール)に遅く走らせるようなこともできない。とりわけ、バーレーンで不運を抱えただけにシャルルは感情的になっているからね」
「フェラーリも彼が(バーレーンで)盗まれた勝利を取り戻させようとする可能性もあるだろう。私ならそのことを考えるだろうね」
■この先どうなるかは分からないとクルサード
一方、かつてマクラーレンやレッドブルで活躍した元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、今週末に行われるF1第3戦中国GP(14日決勝)ではベッテルが反撃に転ずるだろうと考えている。
「若い世代が古参に挑戦するのは普通のことさ。だけど、私はセブ(ベッテル)が必ずしも古参だとは思っていないよ。彼はバーレーンではクルマをうまくまとめあげることができていなかっただけだ」
そう語った48歳のクルサードは次のように付け加えた。
「まだ何も決まったわけじゃないよ」