イタリア自動車協会(Aci)会長としてモンツァでのF1イタリアGP開催を統括するアンジェロ・スティッキ・ダミアーニが、F1オーナーであるリバティ・メディアとの交渉は「複雑で困難だ」と語った。
伝統あるF1サーキットのひとつに数えられるモンツァだが、現在の開催契約は今年で満期を迎えることになる。現在の契約条件ではF1を開催すればするほど赤字が膨らんでいくという状況となっていることもあり、モンツァでのF1イタリアGPが2020年以降もカレンダーに残るのかどうか、現時点では不透明な状況となっている。
そうした中、最近レーガと呼ばれるイタリアの政党が「伝統あるレースを守る」ために毎年1000万ユーロ(約12億5000万円)を拠出するという議案を議会に提出したと報じられた。それが可決すれば、モンツァでのF1開催継続の可能性が高まるものと考えられている。
だが、ダミアーニは、その額では抜本的な改善にはほど遠いと『Agenzia di Stampa Italpress(アゼンツィア・ディ・スタンパ・イタルプレス)』に次のように語った。
「我々はこれまでさまざまな機会を通じて、モンツァには重要な働きが必要であり、現在の前提としては合計でおよそ1億ユーロ(約125億円)が必要だと言ってきている」
「ロンバルディア州のおかげで今年はなんとか帳尻を合わせることができた。そして我々は今後数年に向けて(開催契約を)更新しなくてはならない」
「リバティ・メディアとの交渉は非常に厳しく、複雑で困難なんだ。彼らは高額で維持が困難な契約をあまりにもたくさん引き継いでいるからね」
最近、F1を開催するサーキットのいくつかが団結し、リバティ・メディアに対して開催権料の値下げを要求していると伝えられている。そのことに言及したダミアーニだが、それらのレースの中でもモンツァが「多分F1選手権の中でもっとも重要なレースだろう」と付け加えている。