最近F1界で大きなニュースとして取り上げられているのが、ミック・シューマッハが来週バーレーンで行われるF1テストに出走することだ。
■常に注目される王者の息子
普通であればヨーロッパF3でチャンピオンになったとは言え、若手ドライバーがF1テストのチャンスを得たことがこれほど大きなニュースになることはない。もちろん、これはミックが7度F1王座についた歴代最強F1ドライバーでるミハエル・シューマッハの息子だからにほかならない。
20歳になったばかりのミックは、バーレーンで4月2日(火)と3日(水)の2日間で行われるテストのうち初日はフェラーリで、2日目にはアルファロメオでテスト走行を行うことになっている。
■プレッシャーには対応できる自信があるとミック
かなり大きく騒がれていることがプレッシャーにならないかと質問されたミックは、母国ドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に次のように答えた。
「それはこれまでもずっとそうだったよ」
「誰か、こういうことに慣れていない者を連れてきて今の僕のポジションに置いたとすれば話は違うだろうけれどね。僕はそういう環境の中で育ってきたし、それが大きく役立っているよ」
■リラックスさせることが必要だとラルフ・シューマッハ
しかし、ミックの叔父にあたる元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、あまりミックのことで騒ぎ過ぎるのは好ましくないと『DPA通信』を通じて次のように警鐘を鳴らしている。
「彼にはもう少しリラックスさせて、まずは成長させるべきだよ」
かつてウィリアムズやトヨタで活躍した現在43歳のラルフは、ミックはまずは今週末に行われるF1バーレーンGP(31日決勝)のサポートレースとしてシーズン開幕を迎えるF2選手権でうまく戦うことが必要だと次のように付け加えた。
「F3選手権では彼は自分の能力を証明してみせた。だが、F2ではすべてがゼロからのスタートだからね」
■ミックはバンドーンほどではないとラインダース
大きな注目を集めるミックだが、ベルギー出身の元F1テストドライバーであるバス・ラインダースはその能力は認めつつも昨年限りでマクラーレンのシートを失ったストフェル・バンドーンほどではないと主張している。
「もし彼(ミック)が今シーズンにいいパフォーマンスを発揮すれば、2020年にF1に行くチャンスもあるだろうね」
「彼は間違いなく優れているし、自分の名前とそこから得られる予算を通じて最高の環境で成長していくことができる」
2004年にミナルディのテスト兼リザーブドライバーを務めていたラインダースは、ミックは2015年に現在のF2の全身であるGP2でチャンピオンとなった同郷のバンドーンほどの活躍を見せることはできないだろうと次のように付け加えた。
「だけど、僕はミック・シューマッハがストフェル・バンドーンほど優れているとは思わないよ。彼の方がチャンスや資金も多く得られるだろうけれどね」