ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、ライバルチームたちが大規模チームとの技術提携を認めないようロビー活動を行うことで、フェラーリとの技術提携による成果をあげている自分たちに損害を与えようとしていると主張した。
■ルノーらが技術アライアンス禁止に向けたロビー活動を展開?
現在、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、F1オーナーのリバティ・メディア、F1チームたちによる2021年以降のコンコルド協定締結に向けた厳しい交渉が繰り広げられている。
そんな中、ルノーやマクラーレンが中心となってフェラーリのようなトップチームが小規模チームとアライアンスを組むことをやめさせるべきだというロビー活動を行っていると報じられている。
■フェラーリとのアライアンスでチーム力アップしたハースとアルファロメオ
現在フェラーリはアルファロメオとハースと技術提携契約を結んでいるが、その2チームは事実上フェラーリの“Bチーム”に等しいものだと言われている。
そうした“Bチーム”たちはフェラーリから多くのパーツを供給してもらえ、技術的支援を受けられることで確実に戦闘力を高めることができる。また、フェラーリもそうしたチームから上がってくるフィードバックを自分たちのパフォーマンス向上に役立てることができるわけだ。
■レーシングポイントもフェラーリのやり方に不満
こうしたアライアンスに不満を抱えているのはルノーとマクラーレンだけではない。メルセデスからエンジン供給を受けているレーシングポイントもそのひとつだ。
レーシングポイントのあるチームメンバーは匿名でドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「あそこでデータが交換されていないなどと言えるものは誰もいないよ」
「ザウバーの技術トップであるシモーネ・レスタはフェラーリから直接スイスに行ったし、普通(の移籍)であれば取るはずのガーデニング休暇さえなかった。つまり、両方のチームはお互いにどのパーツがどのように機能するのかを知っているということだ。だから彼らは自分たちの中で仕事を振り分けることができるわけさ」
■ルールに従ってやっているだけだとハース
だが、シュタイナーはこうした声に対し、そうした発言やロビー活動はハースのような小規模チームに損害を与えるために行われているのだと次のように主張している。
「彼らは我々に損害を与え、自分たちを有利にするために、我々から何かを奪い去りたいんだ」
ハースは現在のルールが許す範囲で多くのF1マシンコンポーネントをフェラーリから購入しており、それによって小規模予算ながらもルノーのワークスチームを脅かすほどの存在となってきている。
「我々はこのモデルを選択した。ルールがそれを許しているからだ」
そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。
「その効果は証明されているよ。とりわけ新しいチームにとってはね。さもなければF1を始めるチャンスさえないだろう。なぜそれを変えると言うんだい? 誰もが我々のモデルを採用することができるんだ。私はルノーに対して彼らがどうすべきかなどと言うつもりはないよ」