2018年シーズン途中までマクラーレンのレーシングディレクターを務めていたエリック・ブーリエが、マクラーレン・ホンダのプロジェクトが失敗するのは最初から分かっていたと語った。
2014年の2月にロータスからマクラーレンに移籍し、事実上のチーム代表ポジションに就任していたフランス出身のブーリエだが、昨年の7月4日付けで事実上マクラーレンから更迭されてしまっていた。
そのブーリエは、2015年からホンダと組むことになったときのことを振り返りながら次のように語った。
「私はすでに最初の会議で彼らがこれから直面する大きな挑戦に対してまったく準備ができていないことを認識していたよ」
「私はすぐにロン・デニス(当時のマクラーレン最高権威)に、トップになるためには少なくとも3年か4年の開発が必要になるだろうと言ったよ。だが、すでに契約は結ばれていたし、デニスは過去の栄光を再び味わえるはずだと確信していたんだ」
結局、マクラーレンは3年でホンダとの契約を解消し、2018年からルノーエンジンに切り替えている。
「現在のエンジンは非常に洗練されており、数年にわたる開発を元に、メルセデスだけがライバルたちをしのぐことができる状態だった」
「マクラーレンとホンダによる連合は、技術的かつ歴史的に見て非常に複雑な時期において成果をあげることができなかった」
そう語ったブーリエはさらに、マクラーレンの2018年型シャシーが一定の水準に達していなかったことにより、ルノーエンジンに切り替えたことでマクラーレンの苦悩はさらに増してしまう結果となったのだと次のように続けた。
「我々は4月に、その年のクルマは完全に失敗していたことを理解していた」
「データの相関関係に重大な問題があることが分かったし、もう手遅れだと分かるまで解決策を見つけることもできなかった。いくつかの点においては2017年よりも戦闘力が低下していたし、それによって士気のレベルに対処するのが困難だったんだ」
マクラーレン離脱後、45歳のブーリエはポール・リカール・サーキットで行われるF1フランスGP(6月23日決勝)の戦略アドバイザーに就任している。