レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、空力レギュレーションの変更があったものの、今年もコース上でのオーバーテイクが非常に難しいことに変わりはないと語った。
今季の開幕戦F1オーストラリアGPが開催されたメルボルンで、現F1チャンピオンのルイス・ハミルトンは今季からこれまでよりも幅が広く、よりシンプルな形状となったフロントウイングが導入されたものの、それによってコース上での追い抜きが簡単になったりはしていないと語っていた。
ハースのロマン・グロージャンも、昨年より前のクルマを追いかけるのは簡単になったものの、オーバーテイクは相変わらず難しいとしている。追い抜きにかかろうとするとタイヤが痛んでしまうこともオーバーテイクを難しくしている要因になっているという。
■DRSの効果は増えたがオーバーテイクの困難さに変化はない
オーストラリアGP決勝でフェラーリのセバスチャン・ベッテルをオーバーテイクすることに成功したフェルスタッペンだが、レース終盤に2番手を走行していたハミルトンにかなり接近したものの追い抜くことは難しかったとドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「ルイスを追い抜くチャンスはなかったよ」
「(オーバーテイクは)まだすごく難しい。僕はタイヤをだめにしないようにずっと距離を保つ必要があったんだ」
今季はDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)の開放面積が昨年までよりも広げられており、これまで以上にその効果が発揮されると考えられている。フェルスタッペンも確かにその効果があると認めたものの、オーバーテイクそのものが簡単になったというわけではないと次のように付け加えている。
「唯一改善された点があるとすれば、それはDRSの効果だね。それが開くと同時に昨年よりかなりパワーが出せるんだ。だけど、追いかけているときはまだかなり乱気流があるね」
■あと3レースは様子を見る必要があるとブラウン
しかし、F1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるロス・ブラウンは、データによれば改善されていることは間違いなく、2019年のメルボルンでは昨年よりもオーバーテイクしようとする動きが増えていたと主張している。
「最初の兆候は勇気づけられるものだよ。実際のオーバーテイクは別として、いくつかスリリングなバトルが見られた」
「何人ものドライバーたちが、これまでに比べればほかのクルマを追いかけているときにあまり影響を受けなくなったと感じると言っていた」
F1公式サイトにそう語ったブラウンは次のように付け加えている。
「だが、オーストラリアのサーキットは最も正確なテストにはならない。だから、結論を出すには少なくともあと3レースは様子を見たいと思う」