長年にわたってF1競技委員長を務めてきたFIA(国際自動車連盟)のチャーリー・ホワイティングがメルボルンで急逝した。66歳だった。
今季のF1開幕戦オーストラリアGP(17日決勝)の舞台となるメルボルンに来ていたホワイティングは13日(水)までいつもと同じように業務をこなしていた。だが、14日(木)の朝、ホワイティングはホテルの部屋で突然帰らぬ人となった。
FIAやF1オーナーのリバティ・メディアが発表したところによれば、ホワイティングの死因は俗に「エコノミー症候群」と呼ばれる「肺塞栓症」だったという。
現在F1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるロス・ブラウンはこのニュースを受けて「打ちのめされている」と語ったという。
1977年にイギリスのF1チーム「ヘスケス」でF1でのキャリアをスタートさせたホワイティングはその後前F1最高責任者が当時運営していたブラバムに移籍。1988からFIAの安全委員となり、1997年からF1競技委員長を務めていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ホワイティングの急逝に伴い、今週末のオーストラリアGPでは現F1副競技委員長のスコット・エルキンスが競技委員会を統率することになる可能性が高いとしている。
ホワイティングの突然の死はF1ドライバーやチームたちにも大きな衝撃を与えている。
「僕は昨日彼と話をしたし、サーキットの最初のいくつかのコーナーを一緒に歩いたんだ」
14日にそう語ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは次のように付け加えた。
「受け入れがたいよ。彼はドライバーの気持ちが分かる人だった。常に誰の意見にも耳を傾けていた。彼はレースを愛していたし、すごくいい人物だったよ」