フェラーリCEOのルイス・カミレリが、今季のF1開幕戦オーストラリアGP(17日決勝)で「ミッション・ウィノウ」のロゴをF1マシンからはずすことにした経緯を説明した。
開幕戦の舞台となるオーストラリアではフェラーリの2019年型車に施された「ミッション・ウィノウ」というロゴマークが、禁止されているタバコ広告に該当する疑いがあるとして関係当局が調査に入ったことが報じられていた。
フェラーリでは長年にわたってフィリップモリス社のマールボロブランドがスポンサーを務めてきている。だが、F1ではタバコの宣伝広告が禁止されていることから、実際にF1マシンにそのロゴが描かれてはいなかった。
だが、フェラーリでは昨年のF1日本GPからマシンに「ミッション・ウィノウ」というロゴを新たに施しており、2019年型マシンにも同様にそれが大きく描かれている。
この「ミッション・ウィノウ」とはフィリップモリス社が展開するキャンペーンの名称であり、それ自体はタバコのブランドではない。そのキャンペーンも従来のタバコから脱却した新たな方向を目指していくという姿勢を表すものだとされている。
しかし、オーストラリア、さらにイタリアの関係当局は、実際には間接的にタバコの広告宣伝にあたる疑いがあるとして調査を進めている状況だ。
そのフィリップモリスの前CEOであるカミレリは、ジュネーブで行われている自動車ショーにおいて次のように語った。
「そのロゴ(ミッション・ウィノウ)は最初のレースでは使わないよ。その代わり、ファンのために別のサプライズを用意するつもりだ」
「それはタバコとは何の関係もないものなのだが、(オーストラリアの)健康関係当局との話し合いはうまくいかなかった」
「あれはブランドではなく、タバコから電子式なものに移行していくことを意味しているものなんだ。だが、我々とフィリップモリスには別の解決策を見つけるための時間はなかった」
そう語ったカミレリだが、車体に施されるロゴのことは別として、2019年のフェラーリF1マシンは満足できるものだと主張している。
「クルマは最初から速さを示した。ライバルたちがどれほどの力を持っているのかは分からないが、我々のクルマはバランスが非常に優れており、ドライバーたちも満足しているよ」
そう述べたカミレリは次のように付け加えた。
「もちろん、我々は最も野心的な目標を掲げているよ。だが、我々も信頼性の改善には取り組み続ける必要がある」