F1メキシコGPの舞台となるエルマノス・ロドリゲス・サーキットの上空に大きな暗雲が立ちこめてきているようだ。
すでに、メキシコ政府は現在首都メキシコシティで開催されるF1グランプリのために支出している補助金を2019年でストップし、2020年以降はそれを「マヤ鉄道プロジェクト」に回す方針を示している。
この「マヤ鉄道プロジェクト」とは、ユカタン半島に点在するマヤ遺跡を結ぶ観光路線となるもので、2018年7月に行われた大統領選挙で勝利したアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールがその実現を公約に掲げていたものだ。
これにより、今年で現在のF1開催契約が切れるメキシコGPが2020年以降に向けて契約を更新することが難しくなりそうだと考えられていた。
そして、このほどメキシコGPのプロモーターが、F1オーナーであるリバティ・メディアが示していた2020年のF1開催申請期限までに開催を確約することができなかったことが明らかとなった。
このニュースを受けて、メキシコ出身ドライバーのセルジオ・ペレス(レーシングポイント)はスペインの『Marca(マルカ)』に次のように語っている。
「僕の意見だけど、メキシコの若者が自分たちの国を信じられるようにするにはグランプリのようなイベントが必要だと思う」
「誰もが、メキシコが何年もレースを開催することを本当に望んでいるんだ。だけど、今の僕たちにできることは成り行きを見守ることしかないよ」
2015年に23年ぶりに復活したメキシコGPだが、熱狂的なファンが訪れる非常に人気の高いレースとして知られている。