メルセデスのバルテリ・ボッタスも2019年のF1ではコース上のオーバーテイクが増えるはずだと考えている。
F1レースをもっと見所のあるものとするために今年は空力レギュレーションが大幅に修正されている。これによりF1マシンが発生する乱気流が抑えられて後続マシンが前のクルマに接近しやすくなると考えられている。
さらにDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)もこれまでよりも開く面積が増加するレギュレーションに変更されており、これらによってオーバーテイクが増えるものと期待されている。
だが、このレギュレーション変更によって本当にオーバーテイクが増えるとは考えにくいとの意見も多い。
しかし、最近ダニエル・リカルド(ルノー)やケビン・マグヌッセン(ハース)などが、バルセロナで行われた公式プレシーズンテストでは確かに前のクルマを追いかけるのが昨年よりも簡単になったとコメント。今回のレギュレーション変更がオーバーテイク増加に一定の効果を発揮するだろう示唆している。
そして、ボッタスもこのほど次のように語った。
「空気抵抗が増えたことを感じるし、それによってスリップストリームがうまく使えるようになるはずだ。前を走るクルマは空気にこれまでよりも大きな穴を開けるからね」
「誰もがフロントウイングの話をしているけれど、僕もクルマを追いかけるのが少し簡単になったという印象を得たよ」
「だけど、僕はもっと大きな効果を生むのはDRSだろうと思う。結局の所、僕はオーバーテイクがより簡単になるだろうと思っているよ」
「今では追いかけているときにクルマがより安定しており、ハンドリングも予想しやすくなったと感じるよ。僕たちは正しい方向に進んでいるね」
そう語ったボッタスは次のように付け加えている。
「みんなは新たな空力パーツによってスピードが下がると考えていたけれど、それも違うと僕は思うよ」
実際のところ、合計8日間にわたってバルセロナで行われたF1公式プレシーズンテストでのベストタイムはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が刻んだ1分16秒221だったが、これは昨年同じバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われたF1スペインGP予選でルイス・ハミルトン(メルセデス)が刻んだポールポジションタイムに0.058秒差に迫るものだった。
スペインGPが行われる5月よりもかなり気温が低いコンディションのもとで行われたテストでそこまでのタイムが出たということは、今年のF1マシンのスピードはすでに昨年型マシンを上回っているのは確かだと言えるだろう。