現役時代に4度F1チャンピオンとなったアラン・プロストが、明確にドライバーの優先順位を決めて2019年シーズンに臨むことを決めたフェラーリの決断を評価した。
今季からフェラーリの司令塔を務めることになったマッティア・ビノットは、2019年シーズンを迎えるにあたり、2年目のF1シーズンを迎える若いシャルル・ルクレールではなく、プロストと同じ4回のドライバーズタイトル獲得実績を持つセバスチャン・ベッテルを優先すると明言している。
これに関しては、ルクレール本人もその判断は「理にかなっている」とF1公式プレシーズンテストが行われているバルセロナで語ったと報じられている。
■ベッテル優先はフェラーリにとって「勇気ある決断」
そして、現在はルノーの特別アドバイザーを務めるプロストも、かつて所属していたフェラーリの決断を支持している。
「それは勇気ある決断だった」
母国フランスの『Le Figaro(フィガロ)』にそう語った64歳のプロストは次のように付け加えた。
「フェラーリのようなチームにおいては、もしも2人のドライバーを平等に戦わせてしまえばF1タイトルをとることがものすごく困難になるんだ」
■その方がルクレールもやりやすいはず
確かに、2018年シーズンのフェラーリはキミ・ライコネンを明確にベッテルのサポート役として位置づけていなかったことから、メルセデスに対して戦略的に不利になったレースがあったことも事実だ。
プロストは、マウリツィオ・アリバベーネに変わってチームの新代表に就任したビノットが2019年シーズンを前にドライバーの序列を明確にしたことを評価していると語り、次のように続けている。
「最初からそう言っておくことは、より注意深く、よりよいことでもある。それによって状況が明確になるし、シャルルにとってもやりやすくなるはずだよ」
■ルノーにはドライバー序列なし
そう語ったプロストだが、自分が関与しているルノーでは2人のドライバーに順列をつけるつもりはないとしている。
「ナンバー1ドライバーもナンバー2ドライバーもいないよ。彼らはどちらもナンバー1なんだ」
ニコ・ヒュルケンベルグと、今季に向けてレッドブルから移籍してきたダニエル・リカルドに言及しながらそう語ったプロストは次のように付け加えた。
「どちらか1人がもう1人よりも速いといったことが起きるのは避けられないことだ。だが、彼らは大人だよ。彼らがコース上で戦っても問題はない。だが、それは望みうる最高の心理状態のもとで行われなくてはならない。そこで問題が生じるようなことになってはならないからね」