26日(火)から今年2回目のF1公式プレシーズンテストが開始されているが、現時点ではフェラーリがライバルたちよりも一歩抜きん出たマシンを仕上げてきたと考えられている。
そして、そのフェラーリと強い関係を有しているアルファロメオの躍進に驚かされた者も少なくないようだ。
各チームがその2019年型F1マシンを公開した際、今季はアルファロメオという名称でシーズンを戦うことになるザウバーのフロントウイングが“革新的”だと報じられていた。
そして、実際にバルセロナでプレシーズンテストが開始されると、前評判通りアルファロメオが安定したスピードを示し、今年の空力ルール変更にうまく対応したことが裏付けられている。
つまり、今年導入された空力レギュレーション変更にもっともうまく対応してきたのがフェラーリであり、アルファロメオだと言えるだろう。
アルファロメオのチームマネジャーを務めるベアト・ツェンダーはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「我々のエンジニアにとっては、最初からこれが唯一のコンセプトだったんだ。彼らは誰もがこのやり方を真似するだろうと考えていたよ」
「メルセデスとレッドブルが初走行を行ったときの写真を見たとき、我々は彼らがただ混乱するだけだと考えていた。テストには彼らもきっと我々と同じソリューションを用意してくるはずだと思っていたよ」
実際のところ、メルセデスとレッドブルはいずれも自分たちのコンセプトをあきらめ、アルファロメオやフェラーリの空力コンセプトをコピーすることを真剣に検討していると考えられている。
レーシングポイント(旧フォース・インディア)のテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンは次のように語っている。
「レッドブルよりもメルセデスの方が大変だろう。レッドブルの場合は少しの調整で大丈夫だ。だが、メルセデスはノーズ自体が間違っているからね」
「しかし、メルセデスは非常に大規模で経験もあるから、ある程度の時間があれば対応はできるだろう」
F1マシンの空力処理に関しては第一人者であるとの評価も高いレッドブルのエイドリアン・ニューイ(チーフテクニカルオフィサー)は、レッドブルでは「短時間で簡単に」ほかのコンセプトにスイッチすることも可能だと認めている。
一方、やはりメルセデスにとっては空力コンセプトを変えるのはそう簡単なことではないようだ。
「レギュレーションが変わるときには、もっとうまく機能するものがあればそれを試す必要があるという考え方をする必要がある」
メルセデスのトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)はスペインの『Radio Marca(ラジオ・マルカ)』にそう語ると次のように付け加えた。
「とは言え、そうした変更は1日でできるようなものではない。空力コンセプトを変えるのは数日あるいは数週間でできるものではなく、数か月に及ぶ仕事だよ」
メルセデスでは2回目のF1プレシーズンテスト初日の26日(火)には1回目で用いたものとは違うデザインのノーズを投入している。