18日(月)に今年最初のF1公式プレシーズンテストが始まったが、そこでフェラーリが見せた速さと安定感に驚かされた者も少なくなかったようだ。
フェラーリのテスト初日を担当したセバスチャン・ベッテルは、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで1分18秒161をたたき出すとともに、最多となる169ラップをマーク。すぐにシーズンが開幕しても戦えそうな強さを示した。
そのベッテルの走りを見たルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、フェラーリの2019年型車は「ものすごく速そうだ」と語っている。
さらに、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、苦笑いのような笑みを浮かべながら次のように語ったという。
「セバスチャンはいい冬を送ったようだね」
一方、メルセデスを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は、「これまでに何回冬のテストをやったんだっけ?」と語り、バルセロナテスト初日の結果だけで2019年シーズンがどう展開するかを占うのはまだ早すぎると主張している。
そのメルセデスの初日はバルテリ・ボッタスが全体の8番手、ルイス・ハミルトンが9番手というタイムだった。
しかし、そのヴォルフもフェラーリが速さを示したことに驚いたのは間違いなさそうだ。
「(ベッテルの)ラップタイムを見たが、速いね。フェラーリはまるで熊のように強いよ」
ベッテルにとっても、テスト初日の結果はいい意味で意外だったようだ。ベッテルはフェラーリ2019年型車SF90で行った最初の本格走行は「これ以上ない出来だった」と喜びを隠さなかった。
しかしベッテルは、気の早い記者からこのクルマで2019年のF1タイトルを狙える自信が持てたかと尋ねられると、次のように答えた。
「まだ1日のテストが終わっただけだよ。だけど、僕たちは毎年目標に近づいている」
「今年は多くのレースで優勝したいと思っているし、そうすればタイトルを狙える位置に行けるはずさ」
「もし今日みたいに楽しく走ることができれば、僕はすごく満足できるだろうね」
「僕がこれまでF1で過ごしたシーズンの中では最高の形でスタートすることができた。そのこと自体には何の意味もないけれど、それでもいい気分だよ」
とは言うものの、テスト初日にはメルセデスが本気を出していなかっただけだと考えている者も少なくないのが実際のところだろう。
昨年通算5回目のF1ドライバーズタイトル獲得に成功したハミルトンについて質問されたヴォルフは、「彼を見たかい?」と答え、次のように付け加えた。
「重量ルールが変わったし、まさに彼は一層強くなって戻ってきたよ」