レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2017年にF1を買収して新オーナーとなったアメリカのリバティ・メディアがF1運営を「甘く見ていた」のは間違いないと語った。
実際のところ、当初2018年からアメリカのマイアミで新たなF1グランプリ開催を計画していたリバティ・メディアだが、現在は完全に暗礁に乗り上げた状況となっている。
それだけではない。2020年で現在結ばれているコンコルド協定が満期を迎えるが、2021年以降の新契約に向けた交渉も現在のところ行き詰まっている状態だ。
さらに、最近では現在のF1開催条件に不満を持つ各国のF1プロモーターたちが団結してリバティ・メディアに対してF1カレンダーからの脱落も辞さないという強硬姿勢のもとに契約内容改善を迫る動きに出ている。
こうした状況について、ホーナーは『Guardian(ガーディアン)』に次のように語った。
「彼らは自分たちが買収したもの(F1)に関して、間違いなく甘くみていたのだと思うよ」
ホーナーはその一例として、リバティ・メディアが主導する形で行った2019年の空力レギュレーション変更をあげて次のように続けている。
「彼らは今年フロントウイング変更を慌てて導入したのは失敗だったと認めることになるだろうね」
「フロントウイングを変更することでレースがよりよいものになるだろうと言うのはかなり考えが甘いし、最終的には費用だけがかさむ取り組みだよ」
ホーナーは、バーニー・エクレストン(前F1最高権威)に代わって現在F1最高責任者を務めるリバティ・メディアのチェイス・キャリーはF1に対してアメリカ的なアプローチをとろうとしているものの、それはF1では「うまくいかない」と主張している。
「F1には違うやり方があるんだ。世界選手権として60年あるいは70年をかけて築き上げられてきたものにアメリカンスポーツのやり方をそのままあてはめるのは無理なんだ」
そう語ったホーナーは、技術面以外の部分でリバティ・メディアが取り組んできている現在のF1改革戦略によっても劇的な改善は見られないだろうと次のように付け加えている。
「体裁をとりつくろうことはできるだろうし、好きなだけ映画を作ることもできるだろう。だが、もしその映画が実態をともなわず、ワクワクするようなものでもなければ、誰もそんなものを見やしないよ」