NEXT...F1開催スケジュール

フィアット・クライスラーがザウバー買収に本腰か

2019年02月07日(木)11:46 am

フィアット・クライスラーがザウバーの買収に動く可能性が高くなってきているようだ。

今月1日(金)に昨年アルファロメオ・ザウバーF1チームという名称でエントリーしていたザウバーが今季はアルファロメオ・レーシングに名前を変えることが発表され、これによって1993年から親しまれてきたザウバーという名称がF1から消えることになった。

■ザウバーの名前を惜しむ声も

だが、これはイタリアの名門自動車会社であるアルファロメオがザウバーを買収したわけではない。実際のところ、名前が変わるとは言え、それがスイスに本部を構えるザウバーという会社のチームであることに変わりはなく、F1エントラントとしての登録名称からザウバーが消えるだけのことだ。

つまり、現時点ではアルファロメオがザウバーのタイトルスポンサーという位置づけであることに変わりはなく、ザウバーはフェラーリとの密接な技術提携のもとでF1チーム運営を進めている状態だ。

だが、今回の動きに批判的な意見を持つ者も少なくないようだ。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は次のように書いている。

「ザウバーは今やアルファロメオの旗の下にある。だがそのチームは、イタリアから金が入ってくることを除けば、アルファロメオとは何の関係もない」

「F1でこういうことが行われるのは好ましいことではない」

■フィアットがザウバーを買収しフェラーリのジュニアチームに?

そうした中、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、アルファロメオを傘下に置くフィアット・クライスラーがザウバーを買収する可能性があると報じている。

フィアット・クライスラーはフェラーリの親会社でもあり、同社の会長を務めるジョン・エルカーンが昨年急逝したセルジオ・マルキオンネの後を継いでフェラーリの会長職も兼務している。

『Auto Bild(アウト・ビルト)』によれば、ザウバーからチーム名称権を購入する資金を出したのはフィアット・クライスラーであり、その額は600万ユーロ(約7億5000万円)だったという。

『Auto Bild(アウト・ビルト)』は次のように続けている。

「我々がつかんだところによれば、フィアット会長のジョン・エルカーンは買収選択権も持っており、その行使期限は夏までとなっている」

「ひとつ確かなことがある。フェラーリにとってはアルファとの密接な協力関係によってより強力な政治力を持てるだけでなく、競技面においても確実に利益を得ることができるだろう」

現時点では、フェラーリとザウバーの関係はあくまでも独立した企業同士の提携ということになるが、ザウバーが本当にフィアット・クライスラーに買収されてしまえば、アルファロメオ・レーシングは完全にフェラーリのジュニアチームという位置づけとなる可能性が高いということだ。

■アルファロメオが復活すればいずれトップF1チームに?

だが、フィアットによるザウバー買収を前向きにとらえている者もいる。

そのひとりがイタリアの有名なレーシングカーシャシーメーカー、ダラーラ社のオーナーであるジャンパオロ・ダラーラだ。

ダラーラは、もしアルファロメオがF1に復活すれば、そのうち現在のトップチームたちとも戦えるようになると考えているようだ。

「数年もすれば、アルファロメオがフェラーリのジュニアチームと呼ばれる役割から抜け出し、素晴らしいチームたちのライバルとなることを望めるようになるだろう」

『Autosprint(オートスプリント)』にそう語った82歳のダラーラは次のように付け加えた。

「ネガティブな要素など何もないと思うし、私は今後の成り行きに非常に興味があるよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック