現在F1を5連覇中のメルセデスAMGが、“古い友人”ザウバーの名がF1やモータースポーツから消えることを惜しむ投稿をSNSにし、その後に遠い昔のライバルであるアルファロメオの復活を歓迎した。
■メルセデスとザウバー
Sad to see the @SauberF1Team bow out of motorsport. But we'll always have the memories... pic.twitter.com/AvHYvn2aYF
— Mercedes-AMG F1 (@MercedesAMGF1) 2019年2月1日
メルセデスとザウバーの関係は1985年までさかのぼる。メルセデスは1955年ル・マン24時間レースで200名以上の死傷者を出す大惨事以来モータースポーツから撤退していたが、復活のきっかけを作ったのがザウバーだった。
メルセデスはザウバーとともにスポーツカー選手権に参戦し、チャンピオンを獲得している。
その後、ザウバーは1991年からメルセデスの資金サポートを得てF1への参戦準備を始め、1993年にF1初参戦。メルセデスが資本提携するイルモアのエンジン『ザウバーV10』を搭載し、『Concept by Mercedes-Benz』をエンジンカウルに掲げていた。1994年には『メルセデス・エンジン』として搭載している。
ドライバーもメルセデス・ジュニアチームのカール・ヴェンドリンガーやハインツ=ハラルド・フレンツェンを起用していた。同じくジュニアチーム出身のミハエル・シューマッハは1990年にスポーツカーレースで起用しており、F1でも起用する予定だったがベネトンとの契約上の問題もあり契約を断念している。
■メルセデスとアルファロメオ
... But as we say goodbye to one old friend, we also welcome back an old rival. A legendary name returns to @F1. And we go way, way back! @alfa_romeo pic.twitter.com/AP1i9w3XcD
— Mercedes-AMG F1 (@MercedesAMGF1) 2019年2月1日
メルセデスとアルファロメオのライバル関係は、1930年代のF1創設前にさかのぼる。
メルセデスのF1初参戦は1954年F1第4戦フランスGPだった。ドライバーは1951年F1チャンピオンのファン・マヌエル・ファンジオで、メルセデスのF1デビュー戦で見事なポール・トゥ・ウィンを飾り、年間チャンピオンを獲得している。
そのファンジオはアルファロメオから1950年に始まった記念すべき第1回F1イギリスGPに出場しており、1951年にはアルファロメオでチャンピオンを獲得。しかしアルファロメオは資金難により1951年限りで撤退していた。
その後アルファロメオは1976年にエンジンをブラバムに供給する形でF1へ復帰。1978年のスウェーデンGPで復帰後初優勝を果たした。その時のドライバーは現メルセデスAMG会長のニキ・ラウダだった。
2019年、長い時を経て再びメルセデスとアルファロメオがモータースポーツの頂点で戦うことになる。