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「2050年のF1はこう変わる!」マクラーレンが具体的ビジョンを発表

2019年01月24日(木)20:03 pm

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズ社は23日(水)、2050年を想定したF1グランプリのビジョンを発表した。

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズはマクラーレン・グループの1社であり、現在F1に参戦しているマクラーレン・レーシングとは姉妹会社にあたる企業だ。

マクラーレンではすでに2015年に『MP4-X』と名付けられた未来のF1マシンイメージを公開している。だが、今回マクラーレン・アプライド・テクノロジーズではレーシングカーだけでなく、サーキットやそれらを取り巻く環境、ファンがどのような形でレースを楽しむようになるのかといったより多角的な視点から未来のF1レースイメージを創り上げている。

■AI機能付きF1マシンは時速500kmを達成

それによれば、MCLExtreme(MCLエクストリーム)と名付けられた2050年のF1マシンは高性能バッテリーを搭載したフル電動後輪駆動マシンとなり、最高速度は時速500kmに達するという。さらにそのマシンには走行中に変形する空力パーツが備えられ、高い空力性能を発揮するとともに、ドライバーを補助するAI(人工知能)機能や、自動的に摩耗などが回復する機能を持つタイヤが備えられるという。

■サーキットは全天候型に

また、将来のサーキットはこれまでよりも全長が長くなるとしている。コース幅も今よりも広くなり、うねりが加えられたバンクも設けられている。コースにはEピットレーンが設けられ、マシンはそこでレース中にリチャージを行うことになるようだ。さらにサーキット全体が透明な屋根に覆われ、どんな悪天候のもとでもファンが間近にレースを見ることができるようになるという。また、ドライバーがAI機能によるサポートを受けられないブラックアウトゾーンも設けられ、ドライバーのテクニックの重要度も維持されることになる

■ドライバーの感情や心理もレースに反映

2050年のF1ドライバーには、時速500kmに耐えうる強化ドライビングスーツが与えられるとともに、AI機能により必要に応じてドライビングのサポートが受けられることになる。そのAI機能はレース中にそのドライバーのドライビングスタイルを学ぶことで、それぞれのドライバーのテクニックを生かす形でのサポートを行うことになるようだ。

また、ドライバーの感情がF1マシン上に反映されるようになり、感情や認識、心理的反応などがクルマのパフォーマンスにも影響を与えることになるという。

■ファンもヴァーチャル出走が可能に

ファンもスクリーンに映し出されるマルチ映像などを通じてさまざまなデータをリアルに確認することができ、あたかも自分自身がレースをしているような体験ができるようになる。さらに、Eゲーマーがヴァーチャルモードでレースに参加することもできるようになるという。

■このビジョンが目指すのは?

マクラーレン・アプライド・テクノロジーズのモータースポーツディレクターを務めるロディ・バッソは今回の2050年F1ビジョンについて次のように語っている。

「マクラーレンは決して立ち止まることはない。我々は、常に明日に向けた解決策を見いだすために革新をし続けていくつもりだ。ここ数年の間に、我々は将来のF1カーがどういう形となり、どのように運用されるかということについていくつかのアイデアやコンセプトを目にしてきた。だが、将来のモータースポーツに関し、実行可能なビジョンとして詳細な部分を描き出したのは今回が初めてだ」

「これは非常に刺激的かつ示唆に富んだビジョンとなっている。これにはファン、大学生、マクラーレンのドライバー、そしてマクラーレン・アプライド・テクノロジーズの才能あるチームの視点が取り入れられている。我々がこれに託した望みは、2050年にファンの欲求を満たすことができるモータースポーツを実現するために、テクノロジーやスポーツエンターテインメント傾向の変化にどのように対応していくべきかという議論を刺激することだ」

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