かつてフェラーリ創設者のエンツォ・フェラーリとともにフェラーリF1チーム運営に携わってきた人物が、今年はセバスチャン・ベッテルが“頭”を取り戻すことができるかどうかが重要なカギとなるだろうと語った。
かつて1950年代終盤から60年代初旬にかけてフェラーリのチーム代表を務めていたロモロ・タヴォーニは、2018年のフェラーリがマウリツィオ・アリバベーネとマッティア・ビノットによる確執問題を抱えていたのは確かだと考えている。
アリバベーネに代わってフェラーリの新チーム代表に就任したビノットについて質問を受けた93歳のタヴォーニは、母国イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように答えた。
「彼は非常にハイレベルのエンジニアだ。しかしながら、彼の新たな役割にはほかのチームとの関係を保つことや、政治的問題やリバティ・メディア(F1オーナー)への対応なども含まれてくる」
「それらは非常に複雑で非常にやっかいな仕事だ。だから彼は誰かの助けを受けることになるだろうと思うし、誰がその役割を担うのかが彼のチームが成功する上で非常に重要なものとなるだろう」
うわさでは、昨年フェラーリに合流した元FIA(国際自動車連盟)のローラン・メキーが技術部門においてビノットを補佐する形になるのではないかと言われている。
さらに、かつてフェラーリでチーム代表を務めていた現ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリが復帰し、チーム運営を経営側の立場からサポートすることになるのではないかとの推測もされている。
タヴォーニも、フェラーリはさらに組織改編を進めていくことになると考えているようだ。
「私は本心から、アリバベーネとの決別は最初のショックにしか過ぎないと思っている」
タヴォーニはさらに、やはりベッテルの活躍なくしてフェラーリがタイトル争いをすることはできないだろうと次のように続けた。
「ベッテルが2018年にタイトル争いに失敗したことを忘れてはならないよ。私はフェラーリの短期的成功はベッテルの状態次第だと思うね」
「(2018年には)いくつか受け入れがたいミスがあった。我々はこれから何が起きるのか様子を見ていかなくてはならない」
そう語ったタヴォーニは次のように締めくくっている。
「言い方を変えれば、フェラーリには新たなボスが誕生した。だがそれとともに、サーキットでの原動力となるベッテルが頭を取り戻すことが必要なんだ」