フェラーリ会長のジョン・エルカーンが、今後数か月のうちにフェラーリF1チームにいくつかの新たな動きが生じるだろうとほのめかした。
■フェラーリには組織力強化が必要だった
フィアット・クライスラーの会長を務めるエルカーンは、昨年急逝したセルジオ・マルキオンネの後任としてフェラーリ会長に就任。そのエルカーンは今年早々、それまでフェラーリのチーム代表を務めていたマウリツィオ・アリバベーネを更迭し、その後任に技術トップのマッティア・ビノットを昇格させるというチーム組織改編を行っている。
デトロイト自動車ショーに姿を見せたエルカーンは、そこでメディアに対し次のように語った。
「私が直接フェラーリの業務に携わったのはほんの2、3か月だけだが、チームの組織力を強める必要があった」
エルカーンはビノットのことを「疑いようのない技術的競争力を持つ人物」だと評しており、アリバベーネを更迭したのはビノットをフェラーリに留めるためだったと考えられている。
■フェラーリの次の変化は?
現時点ではフェラーリはチーム代表に昇格したビノットの後任として技術部門を統括する人材については何も発表しておらず、当面ビノットがチーム代表と技術トップを兼務することになると考えられている。
だが、F1関係者の多くは、ビノットがずっとその状態でフェラーリを牽引していくことには無理があるだろうと考えている。
そうした中、昨年フェラーリに加入した元FIA(国際自動車連盟)技術部門エンジニアのローラン・メキーが技術トップに昇格するのではないかとか、かつてフェラーリのチーム代表を務めていた現ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリがフェラーリの社長として復帰し、F1チームも統括するようになるのではないかといったうわさもささやかれている。
また、最近のうわさによれば、かつてフェラーリ黄金時代を築いたミハエル・シューマッハの息子ミックが近いうちにフェラーリの育成ドライバーとして契約を結ぶのではないかとも言われている。
■目標はできる限り早くF1タイトルをとること
こうしたうわさについて質問されたエルカーンはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように答えた。
「今後数か月の間にスクーデリア(フェラーリ)内で行われる決断について今語ることはできない」
「そのことについてはふさわしい時期に語ることになるだろう」
そう語った42歳のエルカーンは次のように付け加えた。
「勝利を収めてきた過去にふさわしい未来を築いていきたいと思っているし、できる限り早くF1タイトルを勝ち取りたいと思う。あまりにも長い間負け続けてきたからね」