かつてフェラーリやスーパーアグリを含むいくつかのF1チームでチームマネジャーとして活躍したダニエレ・オデットが、フェラーリが前チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネを更迭したことは「驚きではなかった」と語った。
■勝てなければリーダーが替わるのはF1の掟
「4年間勝てなければ、そのままリーダーの位置にとどまるのは難しいものだよ」
母国イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったオデットは次のように続けた。
「ああいう勝つために生まれてきたようなチームで勝てなければ、マネジャーが替わるのは当然のことさ」
「それがF1の掟だし、フェラーリにおいてはさらに特別かつ独特の方法で適用されるんだ」
「マウリツィオは気の毒だと思う。彼は友人だしね。だが、彼は純粋なレース経験を持っていなかったことの代償を払わされたんだ。その一方で、彼があのポジションにこれほど長くとどまることができたのは素晴らしい結果でもあるよ」
■新チーム代表の手腕に期待
オデットはアリバベーネの後任としてフェラーリの新チーム代表に就任したマッティア・ビノットに関して質問されると次のように続けた。
「私は、彼について多くを語ることができるほどよくは知らないんだ。だが、彼が優秀なエンジニアであることは知っているよ。さらに、私はフェラーリでチーム代表あるいはスポーティングディレクターを務めることがものすごく難しいことも知っている」
「彼がこれから直面することになる複雑な問題に対処できるだけの人間性やカリスマ性、そして経験を持っていることを期待しているし、そう願っているよ」
■今のフェラーリの課題はカリスマ不在
オデットは、2014年までフェラーリ会長を務めていたルカ・ディ・モンテゼーモロのような舵取り役がいない今、フェラーリでチーム代表を務めるのはさらに困難な仕事になってきているはずだと考えている。
「アリバベーネが始めたばかりのころのジャン・トッドよりもいい印象を与えたのは事実だよ」
「ジャンは常にメディア対応に長けたディ・モンテゼーモロの支援を受け、守られていた。何年にもわたって彼(モンテゼーモロ)は自分の部下を保護してきたし、その中には(フェラーリでの)最初の4年間はタイトルを取ることができなかった(ミハエル)シューマッハも含まれていたよ」
1993年から2007年シーズンまでフェラーリのチーム代表を務めていた現FIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドを引き合いに出してそう語った75歳のオデットは次のように付け加えた。
「現時点では、みんなを守り、メディアに魔法をかけるモンテゼーモロのような人物はいないんだ」