F1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるロス・ブラウンが、F1オーナーのリバティ・メディアがイギリスの首都ロンドンの近郊でF1レースを開催するための調査を行っていることを明らかにした。
■不透明なイギリスGPの将来
これまでF1イギリスGPはその多くが現在のF1選手権発祥の地として知られるシルバーストン・サーキットで開催されてきている。
だが、シルバーストンのオーナーであるBRDC(ブリティッシュ・レーシングドライバーズ・クラブ)は、現在の契約内容ではF1を開催すればするほど赤字が増えるだけだとして2017年に契約解除条項の行使を宣言。現時点では2019年のイギリスGP開催が最後となる可能性が高くなっている。
そしてBRDCが最近、2020年以降の新契約締結に向けてリバティ・メディアにその契約内容案を提示したことも明らかとなっている。
■ロンドン近郊でF1開催の可能性
リバティ・メディアは、もしもシルバーストンとの新契約締結がうまく行かなかった場合を想定して、ロンドン市街地で新たなイギリスGPを開催することも視野に入れているようだとのうわさもある。
ロンドン市街地でのF1レースに関しては、前F1最高責任者であるバーニー・エクレストンも開催の可能性を検討していたことが知られている。
だが、ブラウンは『Evening Standard(イブニング・スタンダード)』に対し、ロンドン中心部でのF1開催は難しいだろうと次のように語った。
「私は、ロンドンの人たちは我々が街の中心部を1週間にわたって乗っ取ろうとしているなどと心配する必要はないと思っている」
「だが、その周辺に関して調査が行われているよ。無理矢理に中心部で行うのではなく、より広い範囲でのロンドンでね」
■ロンドンも前向きとの情報
そして、ロンドンも将来F1を開催することに興味を示しているのは間違いないようだ。
ロンドン市長であるサディク・カーンの代理人が次のように語ったと報じられている。
「将来的にはロンドンでレースを行うことは可能なはずだ」
■ロンドンとシルバーストンの両立を目指すリバティ・メディア
だが、ブラウンは、ロンドンでのF1開催計画は現在シルバーストンで行われているイギリスGPとは別のものだと次のように付け加えている。
「我々としては、シルバーストンを補完するものとしてロンドンを考えている。入れ替えるのではなくね。両方がうまく機能するやり方もあるんじゃないかな」