ダニエル・リカルドが、移籍を決めたルノーは「可能性を秘めたチーム」だと語るとともに、フェラーリへの移籍が実現しなかったのはあまりにも高額な報酬を要求したためだといううわさを否定した。
■レッドブル離脱を決断したリカルド
レッドブルの育成ドライバーとしてF1への階段を駆け上がってきたオーストラリア出身ドライバーのリカルドだが、レッドブルとの契約が満期を迎えた今年、ついにレッドブルを離脱するという決断を行った。
これは、レッドブルが自分よりもマックス・フェルスタッペンを中心としたチームに変わりつつあることをリカルドが感じていたためだと考えている者も少なくない。
だが、メルセデスやフェラーリに移籍することができなければ、リカルドはレッドブルとの契約を延長することになるだろうと考えていた者が多かったのも事実だ。
しかし、リカルドはまだトップ3チームとは大きな差があるルノーへの移籍を決断し、世界を驚かせたのだった。
■レッドブル離脱の背景にはマルコとの関係悪化?
イタリアの『Automoto(オートモト)』誌は、リカルドはレッドブル首脳のひとりであるモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコとの関係が悪化していたようだと考えている。
『Automoto(オートモト)』によれば、マルコが、リカルドがフェラーリに行けなかったのはあまりにも高額な報酬をフェラーリに要求したせいだったとF1関係者たちに触れ回っていたといううわさもあるのだという。
この件について質問を受けたリカルドは次のように答えている。
「僕が大金を要求したなんて誰が言っているの? 知りたいものだね。だけど、想像はつくよ」
「確かに、(フェラーリと)話はしたよ。だけど、彼らはすでに(シャルル)ルクレールを起用する方向で決まっていたんだと思う」
「でも、僕もまだしばらくはF1にいることになると思うし、また別の機会があれば違う結果になるかもしれないけれどね」
■ルノーには可能性があるとリカルド
ともあれ、リカルドにとって2019年にスタートするルノーでの新たな挑戦が楽なものにならないであろうことは確かだ。
ルノーの特別アドバイザーを務める元F1ドライバーのアラン・プロストも、来季リカルドに勝てるF1マシンを提供できないことを残念に思うと語ったことが報じられているほどだ。
「アランはいつも僕にすごく親切にしてくれていたよ」
そう語った29歳のリカルドは次のように付け加えた。
「厳しい年になることは分かっているよ。だけど僕たちもうまくやれるさ。挑戦だからね。勝利することは無理かもしれない。だけど、ルノーにはいい人材がいるし、それができるだけの可能性を秘めている。だから、(勝利まで)あまり長くはかからないんじゃないかな」